新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

農業の国際化についてー待ち構える壁

今日は午前中まで雨がありました。おかげで水撒きもせずに済みました。株価の方は一服といったところです。大幅下落の後、ボックス相場になっています。

 ボックス相場とはある程度まで上がると売りがでて下落し、ある程度下がると再び買うと言う相場展開です。この習性を理解すれば小遣い程度は稼げると思います。下値は13500円まで、上値も14500円程度です。この1000円くらいの幅を行ったり来たりしています。

 後10日程度でお盆なので、この後大きな展開はなさそうです。それに円ドル相場も不安定です。97円を下値に99円までの上値の間を行ったり来たりしています。ここもボックス相場になっています。

 さて今日は農業問題です。TPPでも一番の問題はここでしょう。経済学者などはTPPをきっかけに海外輸出を考えるべきだと主張しています。しかし、中国で庶民と同じスーパーで買い物をしていたおじさんとしては難しいと考えています。

 今東南アジアに注目するようなマスコミの論調が続いていますが、人口の規模、日本との距離、文化の問題などを考えるとやはり中国が農産物輸出のマーケットとなるでしょう。

 確かに中国人の間でも自国の農産物への不信感から日本製品を買う動きがあります。おじさんも中国にいた時は台湾資本のデパートでお米などは買っていました。中国の西南部のお米は確かにおいしくありません。東北部のお米は結構調理法によってはおいしいです。

 品質は日本の農産物の場合ピカ一だと思います。同時にかなり高値でも中国のお金持ちは購入するでしょう。おじさんが使っていたデパートでもお金持ち風の人が利用していました。おじさんはカードを持たないので現金払いでしたが、ほとんどの中国人はカードで買い物をしていました。

 デパートで売っていた鍋などおじさんの月給1月分(おじさんの月収は外国語学院では最高級に近い月収です。)の値段のものを売っていました。野菜などをどんどんお金持ちは買っていました。値段は一番安い自由市場(日本の露店感覚の市場)の10倍くらいしました。

 それなら農産物輸出は有望かと言えばそうでもありません。まずどんなに日本の農産物が優秀でも価格に限度があります。物には相場というものがあるのです。日本のお米を日本の価格以上で売ることはできません。

 つまり工業製品のように少量で高額というわけにはいかないのです。値段の問題以上に難しいのは流通管理の問題です。日本から輸出する段階までは間違いありませんが、その農産物がデパートなりに並べられるまでの管理が難しいです。

 中国では人材の格差が日本では想像もできないほど大きいです。トップの人材は日本人以上ですが、現場レベルが相当ひどいです。衛生意識や品質管理の意識が信じられないほど低いです。

 日本でもスーパーで商品を陳列するパートの人を雇用していますが、主婦パートでも主任クラスがきちんと管理すれば問題はありません。中国では主任クラスから現場のパートさんクラスの人材がひどいです。なぜなら上昇志向が強いので、ちょっと気のきいた人はどんどん現場レベルから出ていきます。

 おなじようなのが職人さんや現場作業員のレベルです。何の訓練も修業もせず見よう見まねでやっているのです。中国に到着しデパートに運ばれるまでがまず問題ですし、その後陳列して販売するまでも問題です。

 これは中国だけではないと思います。東南アジアの場合はもっと難しいでしょう。工業製品ならコンテナに収納して港から直接工場へと運ぶことができます。厳重に梱包されていれば途中少々手荒く扱っても破損などはしないでしょう。

 しかし農産物は生き物なので、途中の管理つまり輸送過程が重要になります。沿岸部特に上海周辺なら日本に近いので問題は少ないでしょう。しかし、内陸部となるとさらに難しいです。

 中国やアメリカ、ブラジルなどからも日本は農産物を大量に輸入しています。しかし、この場合輸出国での管理は商社などがきちんとやっているし、大規模な業者がいて輸出を管理しています。大規模なだけに管理しやすいでしょう。

 輸入してから日本国内での流通には厳しい管理がなされているので全く問題はありません。それに輸入農産物の場合、ある程度こんなものだというイメージがあります。一方日本からの輸出農産物の場合、特化したなにかがあってこそ高額で販売できるのです。

 つまり期待値が相当高いと言えるでしょう。また中国での商習慣などに農産物出荷業者がなじむかどうかです。どこの国でも商習慣が違います。工業製品の場合長い輸出の歴史もあるし、地元業者のことが分かっています。それでも難しいところがあります。

 農産物輸出の場合、輸出元も小規模だし、海外での販売の経験も少ないし、単価のそれほど高くないとしたら余りマスコミは宣伝するほど有望ではないとおじさんは思っています。

 夢はありますが、日本の優れた農産物というだけで利益がどんどん出るほど海外での事業は甘くないと思います。それでもTPPで農産物の自由化が進めば輸出に活路を見出すしかないのかもしれません。

 明日は所用でブログはお休みです。