新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

団塊の世代の戦争の思い出

今日も真夏日です。昨日は健診が結構時間がかかった上に長女も来ていたので時間がなくブログをお休みしてしまいました。

 株式相場は下げているようですね。5月の最高値以後上がっては下がり、下がっては上がりの繰り返しです。売却するにも購入するにも中途半端なので放置しています。時々様子を見るだけです。12000円台まで下がれば買ってもよいのですが、そうなる前に皆買うでしょうから12000円台までは行きそうにありません。

 今日の下げは法人税減税を否定する政府要人の発言に端を発しているようです。アベノミックス効果も薄れ政府の方針もあいまいなままでは、10月の消費税決定まで大きな動きはなさそうです。消費税が実施されるにしてもされないとしても大きな動きがあるでしょう。

 市場が消費税実施ないし延期をどう評価するかです。ところで今日は終戦記念日なので戦争の思い出について書きます。そもそも敗戦でなく終戦と呼ぶこと自身日本の社会的風潮をよく表しています。

 もし毎年敗戦を思い出す記念日となれば随分日本の社会的風潮は変わってきたでしょう。敗戦つまり敗北ならいつもなぜ戦争に敗北したのかその原因を考えなければなりません。それは社会の指導者にはつらいことでしょう。今の保守政党は戦前の保守政党の流れを組んでいるからです。

 まあ余り波風を立てないのが日本の社会なので終戦記念日でよいことにしましょう。これについて深く論究すると面倒なことを書いてくる人がいるからです。

 おじさんは昭和23年つまり戦争が終わって3年目に生まれました。年子で、すぐ上に兄がいます。父親は20歳前後に病気をしたので、兵隊にとられないと思っていたのに結構早く徴兵されたようです。(母親の話)工兵で宮崎で終戦を迎えたそうです。

 復員した時飯盒(ハンゴウ)を持って帰っていて工○○(○はおじさんの姓)と名前が入っていました。部隊全員で撮った写真もありました。工兵と言っても陣地を作っていたようです。叔父さんはもっと前に徴兵されたそうですが、まじめな努力家だったようで准尉(衛生科)にまで昇進したようです。

 戦争に行った人に聞くと、誰でも自分の命は惜しいので、一番優秀な人を衛生兵にしたそうです。怪我をした時衛生兵が無能だと命にかかわります。母親の話では長剣を下げていて、病院船にも乗っていたようです。

 おじさんの結婚式で学徒兵だった担任の先生が叔父さんに「戦争中どのくらいの階級でしたか。」と聞かれて「准尉でした。」と言った時びっくりした顔をしたのを今でも覚えています。ちなみに父親は兵長だったそうです。担任の先生は見習士官で終戦を迎えポツダム少尉(復員するさい昇進した少尉)だったのです。准尉というのは兵隊の神様とまで言われたのです。

 家の庭へ下りる踏み台は弾薬箱でした。もちろん空箱です。表に弾薬箱と書いてありました。ノミやシラミがいたのか学校の校庭でDDTの白い粉を振りかけられました。

 おじさんの街にも米軍がいてキャンプがありました。結構大きなキャンプだったようです。おじさんが大学へ行っていた昭和40年代にも米軍の基地が一部残っていました。基地撤去のデモで行ったことがあります。道を曲がると突然大きな星条旗が見えて米兵がゲートに居たのを覚えています。

 そういえばおじさんの大学も旧軍の払い下げで一部戦争中から使われていた施設がありました。夜になるとお化けが出るとのうわさもありました。一時米軍にも接収されていたようで、建物の一部に英語の表示がありました。

 JRの駅の前では傷い軍人が白い服を着て悲しげな音楽を引いていました。今でも目をつぶるとその時の光景が浮かびます。子供心につらい思い出でした。お若い方は戦争を何かゲームのように思っているようですが、わずかでも戦争のにおいをかいだおじさんたち世代はとても威勢よく戦争だなどと言えません。

 父親は無事帰ってきましたが、叔父さんの一人は戦死しました。サイパン島だそうです。子供の時にその島の名前を聞いてとても印象的でした。リゾート地としてグアム島サイパン島がありますが、とても行く気にはなれません。

 本家の玄関には遺族の家というプレートが打ってありました。それも覚えています。祖母の話では死んだ時戻ってきた箱には石が入っていたと言います。本家の玄関には防空壕を掘ったと言っていました。

 そういえばちょっと郊外に行くと防空壕もありました。危険なので入らないようにと学校でも指導がありました。今はどこに行ってもないようです。

 戦後68年戦争の恐ろしさがだんだん忘れられてきているようです。特にお若い方に戦争の怖さが忘れられているようです。戦争が怖いからしないと言うわけにはいかないかもしれませんが、自国を守るだけの専守防衛こそが一番だと思います。

 敵地攻撃などと言っていますが、敵地の状況を正確に知るのは大変です。それに先制攻撃をしたらそれで終わりではありません。やったらやり返せは戦争の道理です。戦争が相手の抗戦意識を砕くことにあるとすれば、戦争終結の見込みなしに敵地をたたいても何の解決にならないのですが。

 集団自衛権の行使や敵地先制攻撃などと言ってますが、その先の展望なしに導入すると先の大戦の二の舞になるでしょう。ずるずる長期戦に引きずり込まれ大勢の死者と膨大な経済的損失で終わる気がします。

 民主主義は数が全てです。国民がどう判断するのかにかかかっています。明日はのんびり過ごす予定です。