新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

規制緩和は日本にふさわしいのか。

今日も真夏日です。今日は午前中銀行に行って残高の確認をしました。年金が振り込まれているかの確認もあります。

 午後は日曜日の礼拝説教の準備です。何とか一応目処はつきました。ところで株式相場は大幅下落でした。証券会社の雄でいつも例に出す野村ホールデイングスも700円割れ寸前です。アベノミックスの劇薬効果も切れたようです。アメリカの出口政策もどうなるか不明です。

 株式に関するブログを見ても悲観的な意見が多くなりました。5月初旬の大幅上昇相場で急いで相場に参入した初心者の方は損失を抱えているのではないでしょうか。

 初心者向けの株式講演会など全くニュースにでなくなりました。以前から書いているように秋から冬にかけて相場を動かす経済ニュースが山積みです。一番は消費税です。次にTPPそれから第四の矢でしょう。政府ファンドを創設するそうですが、評論家の言う通り役人の天下り先を増やすだけです。

 ところで一方では規制緩和が叫ばれながら、タクシー業界ではいよいよ規制を強化するようです。小泉政権の目だまの一つがこのタクシー業界の規制緩和でした。おかげでタクシーが増えすぎて運転手さんの賃金が下落し不満が爆発して、再び規制強化に方向転換したようです。

 そういえば長距離バスも規制が強化されるようです。また農業や漁業への企業の参加も相当な抵抗にあっているようです。ところでおじさんは規制緩和に消極的な立場です。

 そもそも規制緩和アメリカの新自由主義の流れからでてきているのです。自由に競争させれば必ずうまくいくと言う考え方です。規制があるから発展しないのだと言う論理です。

 しかし、それでは規制が全くなかた無秩序な時代はどうだったのでしょう。産業革命が始まって第二次大戦が終了するまでほとんど規制はなかったと思います。その中で起こったのが過当競争です。またそれに伴って格差社会が起こりました。

 そのため格差をなくすことを訴える社会主義がでてきたのです。それにこりた資本主義国家も自由奔放な経済でなく、一定の規制を加えることで格差を是正してきたのです。修正資本主義とでもいうものです。

 そのような修正資本主義が行き詰って新自由主義がでてきました。確かに社会を活性化した部分もあります。公共サービスなど相当よくなりました。病院なども同様です。しかし、規制を全てなくせば社会が活性化するわけではありません。

 最初になぜ自由奔放な経済に規制を加えたのか考えてみれば分かります。一つは過当競争です。特に日本のような社会では横並びなので相手が値段を下げればこちらも下げるということで消耗戦になります。さりとて意地もあって合理的判断ができません。

 和をモットーにする社会では競争は余り良い結果を生まないようです。江戸時代でも株仲間のような談合組織がありました。さらにさかのぼれば座のような談合組織もあります。信長は楽市楽座を実施しましたが、江戸時代になると株仲間のような談合組織ができるのです。そもそも江戸時代を作った徳川家康は社会を安定させるため封建制度のようながちがちの規制社会を作ったのです。

 規制社会は悪いことばかりのようですが、規制がある分安定で安心、継続する社会ができる面もあります。今は規制緩和が善で、流行しているのでおじさんのように規制の良い面を主張する人はほとんどいません。

 多分組織文化として競争して相手をつぶすより、それほど発展はないが共存共栄の方が日本の組織文化になじむのではないのでしょうか。もちろん世界的に見てこのような組織文化は少ないです。中国にいた時でも商店は早ければ3月くらいで閉店しました。

 しょっちゅお店が入れ替わっていました。そのような文化のところでは規制緩和はありがたいでしょう。日本の場合そんなに簡単に閉店したら借金が大変です。失敗を許さない文化だからです。

 安倍政権は保守を趣旨のする政権です。保守の考えの中心はこれまでの伝統的な文化を守るというのがあります。そうなれば、大胆な規制緩和を行って社会のシステムを壊すようなことをするとは考えがたいです。

 一応規制緩和をするふりはするでしょうが、大胆に実行することはないと思います。そんなことをすればまさに保守地盤から見離されるからです。中小企業なども規制緩和を望んでいないでしょう。もし大胆な規制緩和が行われれば大企業が進出してくるからです。
 
 大規模店舗を認めたために中小商店が軒並みやられシャッター街になってしまったのは周知の通りです。秋からの安倍政権の経済政策が注目されるところです。

 明日はのんびり過ごします。