新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

シリア情勢を考える

今日は午前中は晴れていましたが、午後からはにわか雨が降りました。台風が接近しているとのことで、おじさんの地方も風が強いです。

 相場は130円くらい上昇したようです。自律反発と言ったところでしょう。このところ下落が続いたので相場が強い時はあっと言う間に400円くらいの上昇があるのです。8月相場も明日までなので、取りあえず様子見ということで上げ幅も小さかったと思います。

 9月10月は今年の相場を左右する消費税以下TPP交渉など大きな動きがあります。相場を左右する大きな様相の一つが今日タイトルにあげたシリア情勢があります。

 エジプト情勢の場合、アメリカやヨーロッパが軍事介入する可能性はありません。もしそんなことになれば中東のパワーバランスは完全に壊れてしまいます。それにイスラム勢力に中東最大の国家であるエジプトを支配されたら困るのはアメリカであり、ヨーロッパでしょう。

 シリアの場合、明確な独裁国家であるだけにアメリカやヨーロッパが現在の情勢を見過ごすわけにはいかないと思います。ただアラブの春の名前で呼ばれる反体制派による強権国家の打倒が先進国にとって必ずしも良い結果を生まなかったのも事実です。

 小さな勢力が分立し、イスラム過激派の増殖地になってしまっているのです。シリアの場合は他の中東諸国に比べて軍隊の力が強いです。とくに対イスラエルとの戦争経験もあります。シリアがゴラン高原を挟んで対立していることも問題を難しくしています。

 今はアサド政権がとりあえずシリアを抑えていますが、中心的な勢力を持たない反政府勢力が権力を握れば対イスラエル問題で統制がとれなくなります。権力を握った反政府勢力が勝手にイスラエルに攻撃を加えたりすればイスラエルのシリア侵攻という事態にもなりかねません。

 アメリカもヨーロッパもそれだけは避けたいところです。それにロシアや中国がアサド政権を支持しているので、国連での決議は難しいでしょう。決議案が提出されれば拒否権を行使するでしょう。

 アメリカもイラクアフガニスタンと介入したために膨大な負担をすることになりました。それにアメリカは対中国をにらんでアジアに軸足を移したいようです。イギリスでも介入反対が叫ばれています。フランスやドイツあたりはやる気があるようです。

 化学兵器を使用したのに何らの制裁もなければ、今後紛争のたびに化学兵器が使用される可能性があります。ですから、何らかの制裁つまり空爆をシリア政府側に加えないと示しがつかないと言うことでしょう。ただしこれまでのアラブの春のように継続的な空爆や軍事援助さら大規模なヨーロッパの陸上兵力の投入は考えられません。

 結局短期間の象徴的な空爆をヨーロッパやアメリカが加えそれで終わりということでしょう。現在の政府側と反政府側のパワーバランスを崩すようなことはないと思います。

 シリア政府もそのことを知っていると言うか見越して化学兵器を使用したのかもしれません。シリアが完全な内戦状態になれば原油価格が上昇し世界経済に大きな影響があることもシリア政府は知っているはずです。

 アメリカもヨーロッパも余り目立たない形でシリア政府と反政府勢力が戦争してほしいというのが本音でしょう。シリア政府が倒れても困るというのが先進国の本音です。まさに生かさぬように殺さぬように戦争を継続してほしいというところでしょう。

 こんなことを書くとおじさんは反人道的な奴だということになりますが、国際情勢とは基本的にこんなものなのです。個人の善意でどうにかなるものではないのです。

 ただどんな場合でも思いがけない誤さんと言うものがあります。シリア政府が倒れ反政府勢力同士が今度は仲間割れなどを起こすとなればさらに中東情勢は混乱することになります。

 明日は期末試験問題を考えます。