新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

アメリカ覇権の終わりの始まり

今日はやっと雨が上がりました。といっても薄曇りですが、うっとうしい日々が続いたのでうれしいです。このまま秋になってもらいたいものです。

 アメリカのシリア攻撃が少し後退したので株価も上昇しました。と言っても200円ちょっとですから自律反発程度です。これから株価に影響を与えるニュースが沢山あるので、毎日ニュースとにらめっこしなければなりません。最近急に注目されだしたのがオリンピック関連株です。

 随分先の話ですが話題性があるので、株価に影響を与えるようです。ところで今回意外なニュースが報道されました。オバマ大統領がシリア攻撃について議会の承認を得るということです。アメリカでは戦争という緊急事態のために、攻撃については大統領の一存で決定できるようになっています。

 過去ほとんどの攻撃が大統領の一存で決定されました。議会の承認は後日ということでした。ところが今回は友邦イギリスが議会の承認を得られず、ドイツ・イタリアもシリア攻撃に二の足を踏んでいます。国連での議決も難しい情勢です。

 人道的な点でも化学兵器の使用について確たるものが今一つないようです。問題はオバマ大統領の指導力が疑われるような議会承認という手段をとったことです。もし議会たとえ下院だけでも否決したらオバマ大統領の権威は失墜するでしょう。

 それに何かの紛争に介入するたびに議会の承認を得ていたのでは機動的な攻撃ができなくなります。日本と違ってアメリカの議会は党議拘束が基本的にないので、党が決めたことでも各議員が反対することもあります。

 個性の強いアメリカの議員は簡単に一方向へ流れることはありません。注目されるのはたとえば日本と中国が尖閣諸島をめぐって軍事衝突した場合でも前例にならって大統領が日本を支援して中国を攻撃するか議会の承認を得なければならなくなることです。

 そうなれば短期間で軍事支援を行うことが難しくなります。尖閣諸島をめぐって紛争が拡大してもアメリカは中国の基地攻撃が難しくなります。もちろん沖縄の米軍基地が攻撃されればアメリカへの攻撃とみなして、即座に反撃するでしょう。

 しかし、尖閣諸島周辺での日中の航空戦闘や海上での衝突では立場が難しいです。北朝鮮問題をめぐっても同様です。韓国への短期間の攻撃ではアメリカ軍が即座に反撃できるか難しくなります。おじさんが思いつくくらいですから、日本や韓国の担当者もアメリカの軍事支援について考えなおしてくると思います。

 逆に中国やロシアのような大国はいいチャンスだと思って、攻勢をかけてくるかもしれません。日本が自主防衛すると言っても無理があります。専守防衛の原則を超えるなら無限の軍拡競争が待っています。アメリカがアジアで果たしているような役割を日本が担うのはどだい無理です。

 第7艦隊と同じレベルの海上勢力をそろえようとすると膨大な軍事費が必要です。核武装するにしても、そもそも核実験場さえ国内に作ることはできません。また日本が核武装すれば当然韓国も核武装します。アジア全体に核武装のドミノが広がるでしょう。

 日本は海外からの攻撃に極めて脆弱な構造になっています。特定の地域に人口や産業が集中しています。核攻撃でなくてもミサイル攻撃でも甚大な被害がでるでしょう。

 アメリカの覇権が後退しつつあることを示す今回の決定はアジア全体に大きな衝撃を与えると思います。それはシリア攻撃を議会が認めても同様です。

 シリア爆撃に積極的なフランスも議会の承認を求める方向のようです。経済のグローバル化は止まらないでしょうが、政治のグローバル化は一段落のようです。先進国は他国の紛争に介入しないという方向ができつつあります。

 この流れが日本の外交姿勢にどのような影響を与えるのか注目されます。明日は庭の整備をします。