新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

法は常識の上に成立するー最高裁違憲判決に思う

今日は朝のうちは曇っていましたが、午後から久しぶりに晴れました。台風がおじさんの住む地方から逸れたことが影響しているようです。

 株価も若干の上昇でした。と言ってもおじさんの持ち株にはそれほど影響はありません。以前から書いているように短期の売買はしないので相変わらず静観しています。日本の特殊的な条件としてまずオリンピック招致問題があります。

 宮内庁長官の発言をめぐって賛否両論が出ているように、安部政権も招致に前のめりの感があります。多分東京招致で決まりでしょうが、逆にもし招致に失敗したら消費税値上げ前に安倍政権は非難の嵐となるでしょう。とても消費税値上げなど言い出せなくなるでしょう。

 株価も大幅安になると思います。多分300円以上の下げでしょう。逆に招致が決まれば一気に消費税値上げへと話は進みます。オリンピック開催は随分先の話ですが、気持ちだけでも明るくなるからです。建設株は一気に上昇するでしょう。

 まさに予想で買って事実で売るからです。さて今日は以前も書いたことのある重大な裁判の判決が出ました。最高裁違憲判決を出すのは日本の場合極めて異例だからです。

 アメリカの場合積極司法で最高裁が世論をリードすることがよくあります。同姓婚を認めるかどうかなどがそうです。おじさんは20年くらい前に大学の法学部の聴講生になったことがります。専攻は行政法です。当時勤務した高校で小論文指導をしていたのですが、かなりレベルの高い小論文問題で、文学部国文科出身のおじさんでは歯がたたないものがありました。(旧帝大早慶レベルの法学部の問題)

 それで1年通ったのです。以前書いたようにそこでは何と「警察法」と「行政不服審査法」を学びました。警察法を学んで法的なものの考え方が良く分かりました。それ以後はどんな法学部の小論文問題でも解説できるようになりました。

 ちなみにその時の試験問題の一つは「警察法の法的根拠について書け。」でした。またその時の先生の言葉で一番印象に残ったのは「法とは所詮常識です。常識をはずれた法はありません。」というものでした。そう言えば以前教師になった時研修で「教師は公務員なので上司の命令に従う義務がある。」と習いました。上司の命令を拒否できるのは、明確に法に違反しているもの、例えば「○○から物を盗め」などのような命令や不可能な命令、例えば「月に赴任せよ。」だけだと言われました。

 今回の最高裁判例はやはり常識の変化に従ったものだと思います。実は以前から法務省では婚外子の相続における不平等について変更を計画したのですが、自民党の保守派議員に反対で実現しなかったようです。

 最高裁の方が自民党の保守派の議員より常識的なのでしょう。男女別姓の問題でもそうです。三権分立と言っても行政が一番力を持っていて次が立法、最後が司法です。ただ最高裁判決が出たのでこれからの下級審はすべてこの方向で判決がでるでしょう。

 今係争中の裁判に大きな影響を与えるでしょう。これまで婚外子の人で相続について不満を持っていた人も一斉に裁判に踏み切るでしょう。社会に与える影響はかなり大きいと思います。

 ただ民法改正となるとまたまた保守派の議員が抵抗を示すかもしれません。議員定数違憲判決が出てもなかなか変えようとしません。

 そのうち男女別姓についても違憲判決が出るかもしれません。最高裁判事自民党政権時代に選ばれているはずですから偏向しているという意見も難しいでしょう。保守派にとって家族制度は全ての基本なのでしょう。伝統的な家族観を守りたいのでしょう。

 しかし、すでに保守派の議員の常識よりはるかに社会は変化しているのでしょう。明日は午前中ツマクマの所用に付き合い、午後からは授業開始です。