教師の評価に関する調査ーおじさんの体験も含めて
今日は台風の余波でとても風が強い一日でした。今日の夕方から台風が接近するとのことでした。明日は本当は授業があるのですが、台風のために休校するとの連絡がありました。
まあ生徒さんに事故があるより休校にした方がよさそうです。株式市況は円高が一段落したので少し値上がりしました。97円台を割り込み96円台まで来ていたのですが、ドル買いが入ったようです。
デフォルトの影響の大きさを考えると最後まで対立を続けるとは考えにくいところです。今週はあと3日ありますから、注目されるところです。来週の月曜日は日本の祭日なので、今週の金曜日までもし妥結しなければ、再び円高となり、株式市況は下落するでしょう。
さて、今日はヤフーニュースでもおもしろい記事をみつけたので、それについて書きます。久しぶりの教育ネタです。ヤフーニュースによれば、OECD(経済協力開発機構)が教師の地位に関する調査をしたようです。その結果について報道していました。
教師の地位は、世界的に見ても東アジアつまり儒教文化圏が高いというのが通説です。おもしろかったのは、調査して21ケ国中一番教師の地位が高かったのは何と中国でした。
それに次ぐのが韓国で日本の場合は結構下の方でした。おじさんも中国で教師をしたのでとてもよくわかります。教師の地位の高さをあちこちで実感しました。
まずその調査結果から書きます。教師の収入で言えば何と21ケ国中3位は韓国で4万3千九百ドルです。韓国の物価水準を考えると破格の高給取りということになります。実は日本は4位なのです。1000ドルほど少ないです。中国ははるかに少ないと思います。
国立総合大学それも創立以来80年、地域一番の学校の外国人教師だったおじさんでも10万円以下の月給です。ドルにすれば年収一万ドルそこそこです。もちろん物価が日本の10分の一(地方都市なので)なのですから、1万ドルでも生活は豊かでした。
しかし、それ以外の点では中国の教師は恵まれています。人間はお金があればよいと言うものではありません。他人から敬意を示されることも大切なのです。昔武士は食わねど高楊枝と言いました。つまりプライドも重要なのです。武士はお金はありませんでしたが、お武家さまと言って尊敬されました。
教師に対する尊敬度一位が中国です。何と75%の人が教師を尊敬していると答えています。最低は韓国で11%です。日本も7位で19%です。そもそも師を尊ぶ伝統を持つ両国でもこんなものです。ですからいかに中国の教師が尊敬されているか分かります。
おじさんが中国にいた時も教師の日に記念品を学生さんからもらいました。また授業のなかった時は、教師の日おめでとうというメールを学生さんからもらいました。喫茶店では教師の日は教師を証明するものを示せば半額と書いてありました。
冷やかしで、おじさんも身分証明書を喫茶店の人に見せたら、一緒にいたツマクマはダメですがあなたは半額で結構ですと言われました。店員さんは若いおにいちゃんでしたが、明らかに教師に対する敬意が見えました。反日と程遠いものでした。
中国では収入は少ないけれど、公務員として安定しているので教師の人気は高いです。テレビを見ていたら、都市部では就職できないので僻地に赴任した上海出身の先生が報道されていました。上海出身でも地元に就職口がないのです。
教師検定試験の受験講座の募集の張り紙を大学構内で見たことがあります。教育心理学とか教育学などといったもものを教えるようです。教育大学(中国では師範大学)では無試験で教師資格が取得できるのでしょうが、一般大学の人はこのような検定試験を受けるのだと思います。
当然子供に教師になるのを勧めるのも東アジアの特徴です。勧める1位は韓国です。社会的地位と収入は多くの場合共通しますので、日本より高い収入が得られるなら当然人気もあると思います。中国が2位です。収入はそこそこ(実際中国人の先生の給料を聞いたら学歴に比べて高くありません。)ですが、親にすれば自慢できる仕事なので勧めるのでしょう。
案外本来の収入以外にアルバイトなどがあるのかもしれません。また保護者からの付け届けなどもあるのかもしれません。ちなみに日本は21ケ国中19位です。モンスターペアレントに授業評価、大阪市に至っては評価が低いとクビになるのですから、これでは親が勧めるはずはありません。
総合的な地位は中国が1位韓国が2位です。多分同じ儒教文化圏のシンガポールや香港、台湾などでも地位が高いと思います。そういえば中国の大学の日本語教師は大卒でもOKですが、台湾の大学では博士課程修了以上でした。香港なども同様です。
日本でも以前は教師を尊敬したものです。おじさんが教師になった45年前ではまだ地方では尊敬されました。初めて赴任した地方の小都市の駅員さんは、ああ工業学校の先生ですかと言って敬意を示してくれました。地元の人も、その地域では大卒の人がそんなにいないので、先生それも高校の先生というので敬意を示してくれました。
今のように若者の50%が大学に進学する時代とちがって、進学率はわずか10%台だった時代の話です。海外で働くと言っても中国や韓国などの儒教文化圏の国では先生として赴任するのが最高です。これが企業の駐在員や地元採用の社員だったらこうはいかないと思います。