どの時代でも高級官僚は大変です。-「藤原道長の日常生活」から
今日も朝はとても寒かったです。午後から温かくなってきました。午前中は庭の草抜きです。そう言えば、2年前まで勤務していた中国の大学の先生から質問がきていました。
ところで昨日に続いて今日も株高でした。以前「天井売らず底買わず」と悟ったようなことを書いたのですが、先日売却した銘柄が先週から大幅高です。昨日今日と年初来高値を更新しました。おじさんが売った値段から100円近く値上がりしています。
地味な会社(その昔は仕手株として知られたいました。)なのに信じられない動きです。100円と言えば1000株で10万円です。2千株持っていたので、誠に残念です。そうは言ってもそれなりの利益は出したのですが、人間欲深なのです。新規に買った株は値上がりせず、おまけに持っていた建設株も大幅下落です。
証券会社株だけは5月の値下がり前に売り逃げたのでまあいいかと思っています。さて今日は今読んでいる本についてかきます。藤原道長といえば歴史で必ず習う人です。
彼は「御堂関白記」という日記を残しています。そこまでは知っていたのですが、その自筆本があると知って驚きました。彼は平安時代中期くらいの人ですから、その人が自分で書いた本があるなど信じられなかったです。自筆本があれば、彼の筆跡や彼が削除したり追加した部分も分かるのです。
ところでカテゴリが行政ですから、彼の官人(官僚)としての部分だけを取り上げて書きます。組織において一番関心があるのが人事だというのは常識です。あの半沢直樹でも彼の人事をめぐってさまざまな議論が起こりました。
当時も同じで人事こそ官人にとって最大の関心事だったようです。道長自身は親の七光りでスピード出世をしています。おもしろいのはやはり身近に置いた部下を優先的に出世させているようです。もちろん優秀だから身近に置いたとも言えます。
これも現代と同じで余りに優秀な人は中々出世できないのです。なぜなら出世すると自分の手元から離れるからです。実務にたけ調整に優れった人ほど、上司が手放さないのです。それでそれほどでもない人に抜かれるようです。
現代の官僚でも年次を超えて出世することはほどんどないようです。当時の官人も同様で名門の家の出身なら別ですが、実務官僚レベルですと、もし年次を超えて出世すると相当反発を買ったようです。
当時の官人は相当タフで、平安期物語に出てくる貴族のように歌を詠み女性を追いかけているだけではなかったようです。日中は執務を行い、夜は一晩中宴会をして、そのまま役所に出勤ということもあったようです。
これは現在も同様ですが、先例主義が徹していたようです。そして閣議に相当するものもすでに決定した事項を追認する儀式だったようです。どの時代でもそうですが、各役所の長官レベルでは自ら決定することは余りなかったようです。
その前に実務レベルを統率する官僚が先例に則って決定し、閣議に相当する部分はその微調整だったようです。また、能力がなくてもコネなどで出世する人も大勢いたようです。おじさんが驚いたのは、蜻蛉日記に出てくる、右大将道綱が無能だったという記事です。
お母さんは、古典の教科書にも取り上げられる秀才でかつ当代有数の美女であったのですが、息子はできそこないだったようです。お母さんがネコかわいがりしたので、ダメ息子になったのかもしれません。有名女優の息子さんが事件を起こしたりするのと似ています。