新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

金融緩和政策の将来ーアメリカ・EU・日本

今日は一日寒かったです。午前中は授業で午後からは試験問題作りでした。試験問題というよりは解答用紙と模範解答作りです。やっと完成しました。これを明日提出すれば来週の試験も安心です。印刷は学校の職員さんがやってくれます。

 株式市況はやはり15000円台となると上値は厳しいようです。この流れを見るとやはり年末にかけて相場上昇を期待するのは難しそうです。

 さて、日本ではアベノミックスから1年が経過しそうです。厳密には自民党衆議院選挙で勝利してからですが、去年の今頃はすでに安倍さんが政権に復帰したら大幅な金融緩和をすると発表していたので、1年経過したと考えていいでしょう。

 アメリカではすでに金融緩和をいつ終わらせるのかという出口の議論がされていますが、日本は周回遅れで金融緩和を強化しています。困ったことに金融緩和は一度始めると止めるのが難しいのです。

 アメリカのケースで言えば金融緩和をやめるという発表がなされればその瞬間から株式市況は大幅下落になります。なんとなく匂わせただけでも大変な騒ぎになりました。アメリカの株式市況が下落すれば、ドル安になるし、そうなれば円高になり日本の株式市況にもはねかえってきます。

 新興国からは資金がアメリカに流失することになります。しかし、景気が回復しつつあるのに金融緩和を続ければお金が市中にあふれてバブルになる可能性があります。

 物事にはちょうど良いというのはありません。何かをしようとすれば必ずリアクションがあります。逆に今の金融緩和を続ければ、それを前提とした経済活動がなされるのです。まるで麻薬のようなものです。痛みを緩和させるために麻薬を使うのは分かるのですが、使い続ければ体が麻薬を摂取することを前提に働くようになってしまいます。

 長ければ長いほど麻薬をやめた時の苦痛は大きいです。麻薬を徐々に減らしながら様子を見るのがよいのですが、世界経済を相手にそれをやるのは難しいです。

 アメリカが金融緩和を先にやめて日本やEUだけが継続すれば、金利差がでてきてドルが対円や対ユーロで高くなります。また低金利の時代にお金を借りて新興国に投資していたアメリカのファンドも金利が高くなるのですから、お金をアメリカに戻します。

 さらには新興国に投資するより金利が上昇したアメリカ債券に投資した方が安全で確実なので資金がそちらにまわるでしょう。ヨーロッパ経済も段々回復しつつあるようです。アメリカに続いてヨーロッパも来年後半には金融緩和政策を打ち止めにする可能性があります。

 一番最後になるのが日本でしょう。日本も世界の流れの中で一人だけ取り残される可能性があります。円安で輸出が伸びればいいのですが、いずれにしてもいつか日本も金融緩和をやめる時がくるでしょう。今の状況では数年先になると思います。

 先に書きましたように、長引けば長引くほど副作用が強くなります。景気回復で金利が上昇した時、国債価格が下落します。大量の国債を抱えている銀行は大変です。評価損で銀行の利益など吹っ飛んでしまうでしょう。

 高齢社会が進んで預貯金を取り崩す時代が来ても大変です。高齢者の預貯金で銀行は国債を買っているので、預貯金が減少すれば国債を買う人がいなくなります。

 金融政策を異次元レベルで封じてしまった今となっては、何か世界で大きな動きがあったら日本経済は大変なことになると思います。

 明日も授業です。