旧約聖書から現代社会を見るーソロモン王の次の時代
今日はとても天気が良かったです。今日は所用で教会はお休みです。ただ毎回日曜日は教会ネタにしているので、今日も教会ネタです。
今世界を騒がせているのは北朝鮮の政変です。先代の指導者に仕え現在の指導者を補佐して人物が逮捕されわずかな間に銃殺されてしまいました。
今回のようなことは、力のある政治家が死去し、その後継者がそのあとを継いだ時に起こるのです。旧約聖書の時代一番の英雄は誰でしょう。読者のみなさんはほとんど旧約聖書になじみがないと思います。それでもソロモン王の名前くらいは聞いたことがあるでしょう。
しかし、国民は思い負担に苦しんでいます。国民は新しい指導者がこれまでの政策を変更して民生の安定を行ってくれないかと思うでしょう。特に若い指導者なら理解してくれるかもしれないと期待するのです。
ダビデやソロモンまで王の名前を聞いたことがあるでしょう。ところがその子供については何も知らないでしょう。今日はソロモン王の息子さんの話です。
聖書個所で言えば列王記下10章以下です。(興味のある方は原文をお読みください。)正確な引用だと煩雑になるので、ダイジェストで書きます。ソロモン王の死後息子がそのあとを継ぎました。一方ソロモン王を避けていた王子も即位の場にきていたのです。
イスラエルの国民は「あなとの父上はわたしたちに過酷なくびきを負わせました。今あなたの父上が私たちに課した過酷な労働、過酷なくびきを軽くしてください。」と新しい王に訴えます。(「くびき」とは負担です。)
ソロモン王の繁栄は国民の過酷な労働と過酷な負担の上に成り立っていたのです。それに対して父ソロモン王に仕えていた長老たちに新しい王は相談しました。長老たちはこの民たちにやさしい態度を示し、好意を示し、やさしい言葉をかけるなら、彼らはあなたに仕えるはずですと答えます。
今回処刑された人物は経済の自由化を進め国民を豊かにする方向だったようです。ソロモン王に仕えた長老と同じ意見です。簡単に言えば、今までのやり方を変えるべきだと考えたのでしょう。
この新しい王の動きは現在の金正雲氏と同じです。彼は「この長老たちの勧めを捨て、自分と共に育ち、自分に仕えている若者たちに相談する」のです。この若者たちの意見を聞いた新しい王「父がお前たちに重いくびきを負わせたのだから、私は更にそれを重くする。父がお前たちを鞭で懲らしめたのだから、わたしはさそりで懲らしめる」といいました。
これを聞いたイスラエルの民は王の元から出ていくことになるのです。結局国は分裂してしまいます。
新しい王の国ユダだけの王になります。かってエジプトに亡命していた王子がイスラエルの王になります。こうして二つの国に分裂してしまのです。
ところで旧約聖書の世界では、この新しい王は大国エジプトから攻められることになります。しかし、王が反省したので、エジプトは滅ぼすところまでは行きませんでした。
その次の時代、今度は二つに分裂した王国同士が戦争をすることになるのです。政権交代が起こる時前の時代の旧臣たちが退けられます。新しい指導者は自分と同じ世代の人を好むのです。
また旧臣たちの意見を新しい王は受け入れないものです。それが国民にとって益となるものでもです。現在の北朝鮮で起こっていることにも通じます。もし旧約聖書と同じ道をたどるなら、中国は北朝鮮に武力も含めた威嚇を行う可能性があります。
また国民の不満が大きくなると内戦の可能性もあります。今中国に亡命状態にある金正男氏を押し立てる可能性もあります。イスラエルにとってエジプトが脅威であったように、北朝鮮にとって中国は支援国であると同時に脅威を感じています。
歴史は繰り返すと言います。現代アジアで起こっているのとほぼ同じ出来事が古代イスラエルの時代にも起こっているのです。こんな話を御存じの方はほとんどいないでしょう。聖書は信仰の書であると同時に現代の問題を読み解く参考書でもあるのです。
明日はのんびりすごします。