新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

非情な国際政治ー「小村寿太郎」(中公新書)を読んで

今日は昨日と違って雨になりました。寒さはそれほどでもないのですが、午後4時前なのに暗くなっています。

 円安も104円を超えて105円まで行きそうです。株価もとうとう日経平均も16000円台を突破しました。おじさんの持ち株もそれぞれ数万円程度の利益がでています。といっても最後に売った株は数万円どころか数十万円も値上がりしています。がっかりです。

 さて今日は安倍総理靖国神社を参拝しました。国内的にはよくやった、当然だという評価でしょう。一方なぜ今という意見もあるでしょうが、このまま参拝を引きのばせば国内の保守派からも見捨てられると考えたのだと思います。

 靖国参拝には海外からは批判があると考えたのでしょうが、それ以上にこのまま支持率がずるずる低下するより、勝負をしようと考えたのでしょう。海外で何と言われても国内の支持率が復活する方に賭けたのだと思います。

 とくに韓国とは弾薬供給問題でこれはダメだと考えたのでしょう。相手を助けてもあんなように言われるならしばらく中国や韓国とは距離を置くつもりなのでしょう。仮に経済問題で中国と難しくなってもアメリカやヨーロッパの方の経済回復が見込まれると考えたのでしょう。

 沖縄問題にも進展が見られたし、TPP問題も年を越しそうなので、こちらも配慮する必要がないと考えたのでしょう。ただ国内で言えばなぜ今なのかという疑問がわくと思います。何だか年末の忙しさに世の中がまぎれているうちに保守派への約束を果たそうとしたのでしょう。

 ただ国際社会は安倍さんや保守派の人が考えるほど日本の味方ではないと思います。安倍総理靖国参拝の前にテレビを見ていたら、民放で防空識別圏に関するコメントをしていました。

 その中で印象的だったのは、コメンテーターが日本は中国包囲網をひこうとしているが、逆にこの問題では日本が孤立しているのではと解説していました。結局中国当局へ航空計画を提出しなかったのは日本だけだったようです。(アメリカ・韓国・台湾・香港・シンガポール・オーストラリアその他東南アジア諸国

 またアメリカもヨーロッパも東アジアの小さな島の紛争に巻き込まれたくないのが本音だとコメントしていました。特にヨーロッパにとって中国は日本以上に重要な市場だと言うのです。東南アジアにとっても中国は大事な経済相手国です。オーストラリアについても同様です。

 国際政治は非情です。そう言えば今読んでいる「小村寿太郎」(中公新書 片山慶隆箸)でも、国際政治は非情だと書いていました。小村が駐韓国公使だった時、前任公使の三浦語楼公使が韓国王妃を殺害する事件をももみ消して外交を行ったようです。

 この事件はおじさんも知っていますが、韓国の人なら誰でも知っているでしょう。前掲書では「隣国の王妃を、自国の公使が殺害する大事件に際しても、小村の対応は冷徹だった。国際政治の世界に倫理を持ちこ」まなかったと述べています。現代なら政権が吹っ飛ぶほどの大事件でしょう。

 小村にとって一番重要なのは「国益の拡張や安全保障」だったようです。もちろん小村の時代は帝国主義の時代ですが、国際政治というのは時代が変わってもその本質は変わらないと思います。

 日本人は国際政治を情緒的にとらえていると思います。たとえ日本人や日本や日本料理が好きであっても、日本にとって不利なことあるいは見捨てることを笑顔でやるのが国際政治なのです。国民もそれが当然だと思っています。

 安倍さんは自分なりの価値観や歴史観があるようです。しかし、それはそれで危険な面があります。どうも最近の安倍さんを見ていると前のめりになりすぎているようです。安倍さんの強力な支持層がそれを求めている面もあるのでしょう。

 しかし、そのような支持層を裏切るような非情さがなければ国際社会で戦っていけないと思うのですが。まあ地方在住の一シニアであるおじさんが何を言っても仕方のないことです。

 今のままの外交を貫けば気が付いた誰もまわりにいなかったということにもなりそうです。今日もまた寝言のようなことを書いてしまいました。

 明日はツマクマの所用のお付き合いです。