新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

近隣外交についてー台中閣僚級会談報道から

昨日は二女のところに手伝いに行って不在だったので、ブログをお休みしました。今日は二女の家から学校へ出勤しました。

 株価の方は思ったほど値上がりしませんでした。アメリカの相場が大幅高だったので、期待したのですがそれほどでもありませんでした。まあおじさんの持ち株の一つ電機株が年初来高値を更新しました。電機株は全体的に相場が以前から低迷していたので、逆に悪材料出尽くしなのかもしれません。

 さて読者の皆さんも新聞で台中閣僚級会談のニュースをご覧になったと思います。この出来事についてはおじさんは注目していました。興味のある方は1月29日の記事をご覧ください。(「小さなニュースですが 台中関係の進展」

 おじさんのようなアマチュア中のアマチュアでさえ台中閣僚級会談開始のニュースに注目しているのですから、外務省や防衛省などの情報分析官は全員理解していたと思います。大新聞(産経新聞も含めて)の外信部でも分かっていたはずです。

 それなのに、会談が成立した時点でなく実現して大きくニュースで扱っています。今回の会談は日本の近隣外交が完全に破たんしたことを意味しています。保守派の方には申し訳ないのですが、これが国際政治の現実なのです。

 近隣外交というのは文字通り極東アジア諸国との外交です。中国・北朝鮮・韓国・台湾です。それにロシアを加えることもできます。今安倍さんはロシアと仲良くしようとしていますが、これは無理な話です。

 ロシアはシベリア開発に日本の資金を投入してもらいたいと思っています。また天然ガスや石油も売りたいでしょう。しかし、北方領土で妥協する気はないでしょう。ロシアにとって日本は財布でしかないのです。貰うだけ貰うけれど何も上げないという姿勢でしょう。

 ロシアは中国・韓国と日本が争うのは願ったりかなったりの状況なのです。特に中国と日本の両国から味方をしてほしいと頼まれています。物を頼むのに手ぶらということはないでしょう。両方から取れるだけ取ってやろうと言うのがロシアの魂胆です。

 それが分かっていながら、中国韓国と妥協できない安倍さんはロシアに微笑するしかないのです。ところで、数年前保守派の人特に桜井女史などは台湾を親日国として激賞していました。その台湾がとうとう舵を日本から中国に切ったのです。

 台中閣僚級会談が今角突き合わせている日本にとってどれほどの影響があるのか台湾も分かっていたはずです。もちろん台湾の国内事情もあると思います。しかし、外交は一旦動き出すと政権が交代してもそう簡単に変えることはできません。

 日台関係の冷却を象徴する事件が去年ありました。すぐにブログの時期を思い出せませんが、おじさんも警告を書いたことがあります。それは尖閣列島周辺で台湾の巡視船が日本の巡視船に放水した事件です。これは昔なら戦争にもなりかねない事態だったのです。

 その後、日本政府は台湾側に漁業区域について大幅に譲歩しました。そのため沖縄の漁師さんが困ったというニュースが流れました。日本政府としては、漁業問題で譲歩することで台湾を味方にしようとしたのでしょう。

 しかし、台湾の姿勢はすでに決まっていたと思います。日本を見捨てることです。それを先に言ってしまっては日本から取れるものも取れないので、今回の台中閣僚級会談を黙っていたと思います。

 こんな重大な会談が急に決まるはずはありません。その前に実務者協議が相当長い期間あったと思います。今の状況をみると中国側が相当譲歩したと思います。会談は最終段階です。会談の結果、お互い手ぶらということになれば、外交の実務者は左遷されます。

 何らかの取引が成立した上で仕上げとして会談をするのです。首脳級の会談となれば、それなりのお土産が必要です。この場合お土産を持たせるのは中国側です。中国側としても、かなりのお土産を台湾に与えても、所詮同じ中華民族なので損はありません。

 安倍さんは外交が得意だと思っているようですが、中国の方が一枚上手です。外交は51%の獲得のために49%を与えると言います。安倍さんは中国・韓国には扉を開いてはいるが、何も与えないようです。これでは外交は成立しないでしょう。

 しかし、今安倍さんが49%も中国・韓国に与えたら国内情勢が持たないでしょう。強気こそが安倍政権の強みなのです。

 中国包囲網は完全に破たんしました。頼りの東南アジア最大の国であるインドネシアも景気減速に見舞われています。おまけにタイは政治不安で経済も低迷気味です。ラオスカンボジアは国力が弱すぎます。

 残りはフィリッピンベトナムミャンマーですが、ベトナムは所詮共産主義国家です。東アジア(台湾・韓国・北朝鮮)は完全に中国寄りとなりました。後はインドだけです。ここも日中両国から資金を引き出そうとしています。インド商人と言えば駆け引きのうまさで有名です。(中国の観光地でも日本の観光地でもインド人のお店を見ました。)

 どうも安倍さんも国民も外交の怖さを知らないようです。どんなに国民が日本好きでも安倍さんを各国政府が大歓迎しても、日本の味方をするとは限らないのです。自国の利益のためだけに行動するのです。

 まあ今回の報道で多くの国民は日本の置かれている立場が分かったと思います。結局何かを守るためには何かを失わなければなりません。それに耐えてこそ道が開けるのです。その覚悟が必要です。

 明日はツマクマの所用のお付き合いです。