新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

対中包囲網はどうなったのかー今日ニュースから

今日は思いがけず午後から晴天になりました。風が強くて寒い一日との予報だったのですが、温かくて良かったです。何とか試験の採点も終わり、期末考査の成績と学年成績まで完成させることができました。

 株式市況はちょい安で終わったようです。昨日一気に上昇したので値下がりが予想されたのですが、やはり国内の個人投資家の買い意欲が強いようです。去年のロケット上昇や年末の上昇が忘れられないのでしょう。

 円相場は102円前半でとどまっているようです。しばらくこの水準が続くと思います。もし新興国での通貨不安が起これば100円に近くづくでしようし、アメリカの経済が順調に拡幅すれば105円へと戻るでしょう。いずれにしてもおじささんとしては様子見です。

 さて、今日、新聞やネットのサイトで気になる記事を見ました。週刊誌や単行本、新書などで反韓・反中のテーマのものが大売れです。それに、ブログサイトでも同様の記事で一杯です。これが安倍さんの高い支持率につながり、安部さんの政権運営への自信につながっています。

 しかし、目を海外に向けると全く様相は別です。今日の新聞の海外ニュースで注意の必要な記事がでていました。日本の人は中国は世界中から嫌われ孤立していると考えています。しかし、おじさんが繰り返し書いてきたように、そうとも言えないのです。

 中国人の振る舞いは世界の顰蹙(ひんしゅく)、だから中国は世界中の鼻つまみものであり、日本人の振る舞いは立派だから世界中で愛されている。それゆえ、中国は世界中から孤立し、日本の中国包囲網は完成しつつあるというのが大方の日本人の認識です。

 ところが、まず今日のニュースで東南アジア最大級の多国間合同軍事演習に中国軍が初参加とありました。これは米軍とタイ軍の主催で日本も参加しています。それまで中国軍はオブザーバー参加だったのが、正式参加になったのです。

 日本の発想だと、敵は排除するという(仲間はずれ)のが常識です。ところが、世界の常識は参加してもらって透明性を高めるという考えなのです。ところで、記事ではアメリカの駐タイ大使が「今年は中国から特別な参加を歓迎できるとことを光栄に思う」と述べています。

 おやおやこれは日本に吹きすさぶ反中のイメージとは程遠いものです。その隣の記事には「習主席と国民党幹部会談ー中台、政治対話を強化」とあります。以前対中の閣僚級会談があったばかりです。この記事を台湾を反中国の砦として激賞していた桜井女史はどう見るのでしょう。

 さらに追い打ちをかけるように、アメリカの大手情報サービス会社のブルームバーグの記事がサイトに出ていました。タイトルは「日本のナショナリズム的愚行ー米国は強い語調で叱責を」とあります。国際間の勝負は一本勝負のような勝ち負けはありません。

 日本人は黒白をつけたがりますが、国際関係は微妙で読みにくいものです。勝負で言えばポイントを重ねて、勝敗を決めるようなものです。日本が対中包囲網を作ろうと東南アジアと連携を目指しましたが、タイも日本の狙いから外れてしまいました。

 もともと中国にはタイ族がいるし、おじさんが中国にいたころからタイ軍と中国軍との間で対テロ戦をにらんだ合同演習をやっていました。(ロシアとの間でもやっていました。)タイ米(こめ)は中国西南部では人気なのです。日本人が思っている以上に中国とタイは関係が深いのです。

 アメリカは完全に日本の特に安倍政権の右傾化に反感を持っています。今の国際社会はかっての日独伊三国の敗北の上に成り立っています。その歴史を日本だけが覆して、あの戦争は悪くなかったと言っても認めてもらえないでしょう。

 少なくとも独・伊二カ国には歴史認識を変えて、ヒトラーは悪くなかった、あの戦争は防衛のためだったとは言わないでしょう。ムッソリーニについても同様です。そうなれば、以前は3国同盟が結べました。世界で孤立している言ってもまだ2国と仲良くできました。

 今回の流れでは世界中で表立って日本と組んでくれる国はないでしょう。アメリカ・中国だけでなく、EUも日本の味方になってくれなさそうです。(EUと中国は貿易で結ばれています。)

 アベノミックスの破たんが段々明らかになってきました。安倍外交も特別な情報を持たなくても、新聞記事を連続してみるだけでも破たんしつつあるのが明らかになっているようです。日本人は戦争直前もそうでしたが、自国は間違っていない、悪いのは他国だと考えました。

 今政策を変更するのは安倍政権崩壊につながるでしょう。しかし、今外交を見直さなければ、戻れないポイントを越えてしまします。その時アメリカは日本を容赦なく切り捨てるでしょう。TPP交渉ですでにそれが表れています。

 過ちを改めるにはばかることなかれです。もし安倍さんにそれができたら、本当の長期政権になるでしょう。

 明日は家の仕事で忙しいです。