新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

安倍外交はどこへ行くのか

今日は一日雨でした。昨日の夜から結構強い雨でした。そういうわけで外にでるわけにも行かずまた以前勤務した中国の大学の先生から修士論文添削の依頼があったのでそれを見ていました。

 前回に続いてです。翻訳理論に関する修士論文です。厳密には「スコボス理論」を元に「蟹工船」の翻訳を考えるというものです。「スコボス理論」は全く新しい言葉でおじさんは初めて知りました。

 とにかく頭の体操だと思って取り組んでいます。A4で37枚くらいあります。ところで株式市場は50円高で終わったようです。今年に入って相場は乱高下です。3月もこの程度の動きで終わるのでしょうか。

 さてこのところ安倍外交を巡って動きがありました。安倍外交の特色は従来の日米台韓の四国を中心にロシア・中国と対抗するというものではありません。

 まあこれは冷戦時代の外交構図ですから、冷戦が終わってアジアの時代になったので変えてもいいのでしょう。しかし、ロシアへの接近を米中韓への対抗としたのは完全に失敗しました。

 尖閣竹島北方四島の領土問題で、前二者を捨て北方領土で勝負にでたのです。ロシアとしても中国やアメリカに対抗する手段として日本と結ぶのも悪くないと思ったのでしょう。しかし、ウクライナ問題で完全に日露蜜月時代は終わりました。

 もうひとつは東アジアを捨てて東南アジアとの結びつきを深めるというものです。東南アジアの国と言えば、タイ・フィリッピンインドネシア・マレーシアと言ったところでしょう。

 ベトナムなどのインドシナ半島の国もあります。その中でまずタイが国内政治問題で脱落しています。次に経済的な低迷がインドネシアにあります。

 今回はマレーシアです。航空機失踪事件で信用をなくしました。とくに中国は多くの乗客がいたので、マレーシアに対して強硬姿勢をとっています。本来は紛争の場である南シナ海などにも多くの中国艦艇が進出しました。

 おまけに中国政府がどうも有力な墜落の証拠も握ったようです。こんなあやふやな発表しかできないマレーシアも提携国として不十分でしょう。(世界中から信用を失いました。)

 そう考えると東南アジアとの連携を考える安倍外交は行き詰ってきます。まして人権問題を抱える北朝鮮と関係を深めるわけにいきません。

 結局今回のアメリカ主導の日米韓三国の首脳会談に乗るしかできませんでした。アメリカはすでに書いたように対ロシア対策もあって中国との結びつきを強めようとしています。(大統領夫人の訪中など)

 アメリカは韓国・中国を説得して日本の意見を通すより日本を説得してあるいは脅して韓国・中国と話合いをさせようとしているようです。それに対してロシアや東南アジアに就任以来前のめりになった安倍外交は対抗する手段を持ちません。

 とくに予想に反したロシアの独走が痛かったようです。中韓への対抗策を持たない安倍外交はどんどんアメリカに押し込まれて行くでしょう。

 支持基盤である日本の保守層の不満は高まると思います。これに消費税値上がり後の経済情勢が加わると政権運営も難しくなるのではないでしょうか。

 アベノミックスもすでに賞味期限切れですから。明日も論文添削です。