新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

子孫のために美田を残さず(残す)-あなたはどっち

今日はとても温かい一日でした。今年一番と言ってもいいでしょう。桜も週末には満開になりそうです。ただ明日からは雨のようです。

 今日の株価も値下がりの後値上がりでした。70円くらいですが、なかなか買い気が強いです。今の値段は買うにしても売るにしても中途半端なので静観です。

 さて今日のニュースを見ると親の収入が成績に影響しているという調査結果が文部科学省の委託調査でわかったと報道されていました。

 まあ教師の世界では常識なので今更という感じです。文部科学省としてこの結果が出ると政府の責任が問われるので余り調査したくなかったと思います。

 ところで西郷隆盛は「子孫のために美田を残さず」と言いました。つまり親の財産などあてにせず自分でがんばれという意味でしょう。親の財産など当てにしているようでは良い仕事はできないという意味でもあったのでしょう。

 しかし、現代社会を見るとそうも言っておられません。戦争が終わってすぐは親は子供に美田を残そうにも美田を持っていませんでした。それどころか子供の方が親より豊になれたのです。

 今は逆です。戦後豊かになった親の世代に比べて今生きている子供の方が貧しいのです。社会が固定化するに従って親の資産の価値が重要になってきました。単に金銭だけではありません。世襲問題もあるのです。つまり親の職業を子供が有利な立場で継承できるということです。

 まず政治家です。全くの素人が政治家になるのは極めて困難です。国会議員の子供が国会議員になるというのは普通です。芸能人もそうです。○○さんの子供さんというだけでテレビに出たりできます。これも全くの無名の新人がテレビにでるとなると大変です。

 問題になりましたが、テレビ局などには芸能人の子供が入っています。1000倍近い就職競争がテレビ局などであると言われます。その際芸能人の子供であれば、有利に働くのでしょう。

 医者の世界特に開業医の場合、世襲でなければ投資した医療設備のお金を回収できないといいます。それにお客さんである患者さんも新規開業からみつけるのは大変です。親の代からの病院であれば評判も定着しています。若先生という立場で病院を継ぐこともできます。

 もちろんお金の場合でもそうです。親が子供世代の応援をするのは現代では常識です。おじさんのまわりでも経済的支援だけでなく、親が働いているので孫の面倒を祖父母がみているケースが多いです。

 逆に言えば祖父母の支援がなければ親が働くのは無理なようです。また孫の教育資金を祖父母が応援するファンドもあるようです。親の収入が増えない現在祖父母が孫に資金援助をするのも当然でしょう。

 昔は国公立大学の授業料が考えられないほど安かったです。ですから勉強さえできればアルバイトで進学することもできました。今はそれも無理です。80万円くらい1年間に授業料がかかるので、4年で320万円です。それに入学金や教科書代などがあります。

 奨学金を借りると返済が大変です。子供が家を購入する際も親が資金援助をしているようです。子供の教育費が大変なのでせめて住宅購入資金を援助するということでしょう。

 もちろん親の生活が厳しければとても子孫に美田など残せません。そう考えると今の時代豊な人はますます豊になり、貧しい人はますます貧しくなるようにできたいるようです。

 明日から月曜日まで忙しいのでブログを書けないかもしれません。