新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

アベノミックス試論

今日は午前中は雨で午後から曇りとの予報だったのですが、逆に午後から雨がひどくなりました。今日はツマクマが所用で不在なのでとても忙しかったです。

 さて今日はアベノミックスの評価がそろそろ出終わったようなのでそれについて書きます。アベノミックスについてはおじさんは以前からプラシーボ効果(偽薬効果)しかないと書いてきました。どうもそれが事実だったようです。

 アベノミックスの最大の効果は結局インフレが来そうだという期待感を持たせたことです。(まだ来ていませんが)その効果は日銀の異次元金融緩和が大きかったようです。金融緩和というより、異次元という言葉の影響力が大きかったようです。

 景気という言葉に「気」という字がついているように、人々の気持ちが景気に大きく影響するようです。じゃぶじゃぶの金融緩和を行ったおかげとアメリカの景気回復傾向で円安になりました。

 本来異次元の金融緩和で市中にどんどんお金を供給して企業に使ってもらおうというのがアベノミックスの狙いだったのです。ところが企業はお金を借りて設備投資には当てませんでした。デフレの原因が明らかに需要不足というか供給過剰にあったからです。

 逆に市中に流れだしたお金は株式や不動産へ向かいました。おりしも円安だったので海外の投資家も株式取得の乗り出し株式市況が大幅高になりました。これがアベノミックス効果を目に見える形にしたのです。

 しかし、あれからほぼ1年経過しましたが、右肩上がりの景気回復にはなりませんでした。そのあとアベノミックスは公共事業のばらまきをしました。本来なら建設会社を中心とする内需拡大につながるはずだったのですが、東北復興と重なり人件費や資材の高騰を招きました。

 ただ円安のおかげで輸出産業は膨大な利益を上げることができました。それも去年までです。今年は円安のおかげでエネルギーを中心とする原材料費が上がっています。それに原発停止も加わって電気料金の高騰が続いています。

 輸出量も円安になったのに増えません。賃金値上げを政府が強引に企業に求めました。今年は政府の顔を立ててしぶしぶ企業も応じました。しかし、来年は無理でしょう。消費税値上げ後の消費減少が響くからです。おまけに中国経済にも暗雲がたちこめています。

 ヨーロッパ情勢も不安定です。ウクライナ問題からロシアとEUの対立があります。次の大きな山場は消費税10%までもっていけるかです。法人税減税をするとなるとどこかに財源を求めねばなりません。

 そうしないと歳入が大きく減少します。もし消費税を再度上げるとなると消費者も企業も大変です。今度こそ消費が大きく減少するでしょう。公共事業もいつまでも続けられません。

 輸出は伸びず、原発は再稼働できず、国内消費も伸びないとすれば再び景気減退となる可能性があります。一時話題になった規制緩和など現状では夢のまた夢です。

 大企業に無理と言って賃上げをしてもらったのに、大企業の既得権を奪うようなことができるはずはありません。特区を作っても所詮その場限りのものです。

 となるとアベノミックスのプラシーボ効果もなくなり平凡な経済運営が続くことになりそうです。今日は素人経済評論家であるおじさんの空理空論を紹介しました。

 明日は教会で午後から長老会(役員会)です。