新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

埼玉入学式欠席問題についてー問われるなら誰か

今日も晴天です。金曜日までこの調子で週末にまた雨のようです。株価は上値の重い展開でした。上げはしましたが、戻りがよくありません。

 以前から書いているように、大きく下げても戻りが強いとそれほど心配しませんが、戻りが弱いとずるずる水準を切り下げる傾向にあります。安倍さんと日銀総裁が会談したようですが、これまでの日銀総裁の発言を見ると異次元緩和に自信があるようです。

 とりあえず会談するが、大丈夫ですよと安倍さんに言っただけで終わりそうです。首相から言われたからすぐに追加緩和をするようでは日銀の独立性のなさを世界に証明するようなものだからです。

 それに日銀総裁としてのプライドをあるでしょう。相場はそこまで読んでの反応でしょう。ところでこのところ公務員関係の出来事が二つありました。奇しくもどちらも埼玉県です。

 一つは世間を騒がせた警視庁警察官の同僚殺人事件です。これについてもまた書きます。今日は入学式欠席問題です。

 まず結論から言えば欠席した女性教師に非はありません。もし非難するなら非難する人を間違えています。なぜなら女性教師はちゃんと上司に相談し、上司の許可をもらって休暇をとったのですから、公務員としてまた社会人として何の落ち度もありません。

 本人が休暇を申請しても、上司(この場合校長)は時季変更権を行使することができます。有給休暇はその内容を問われることはありません。逆に問うてはいけないのです。

 しかし、職務上どうしても困る場合があります。その場合は事情を聞いて時季を変更しれもらえるなら、時季を変更しれもらうことができるのです。時季と休暇との重要性の比較の問題です。(絶対難しいのは入学試験・次が卒業式と運動会・体育祭)

 たとえば自分が病気であったり、子供が手術したり、親が危篤な場合は時季変更権を行使することはできません。仕事をしている間に親が死んだりしたらだれが責任をとるのかということになります。

 親が亡くなった場合は有給休暇でなく特別休暇ということになります。この場合は時季変更権は行使できないと思います。卒業式があるから親の葬式に行くなというのは公序良俗に反するでしょう。

 さて今回ですが、校長がこの教師が事前の準備も十分しているし、高校生だから初日担任がいなくても次の日十分に理解を進めることができると判断したのでしょう、。事実欠席するからわざわざ手紙を準備したりしています。

 校長は当然この教師の所属する学年の学年主任に意見を聞いていると思います。高校の場合、副担任がいてその人が実務(提出物の回収など)をしてくれます。実際おじさんも担任の先生が急病で入学式に出られなかったので、その仕事をしたことがあります。

 学年主任のクラス編成の際その先生のクラスの生徒がどのような状況であるか把握しています。合格者が決定したのち学年団(学年主任・担任・副担任・学年付きなどで構成)でクラス編成について話し合います。

 入学式当日から配慮の必要な生徒がいる場合、当然学年主任はその先生に休まないよう依頼するでしょう。また副担任の先生が経験が浅い先生でも同様なことをするでしょう。

 この先生が休暇の許可をもらうにはそれ以前に十分話し合いがもたれているはずです。これが小中学校なら校長も許可を出さなかったと思います。

 高校の場合能力主義(試験に合格した者だけ入学できる。)なので、自分の学校にふさわしい生徒だけを選抜しているのです。(成績だけでなく内申書の記述もチェックすます。)

 保護者が騒いだそうですが、普通はこんなことはありません。教師は聖職者だからと都合のよい時だけ言います。公立学校の教師はまず地方公務員であることが前提です。その中の教育職ということになります。

 ある学校である校長からあなたは公務員なので上の命令に従いなさいと言われたことがあります。それは異動の内示がでたので、行き先に文句を言うなということなのです。

 簡単に言えばあなたは将棋の駒と同じで指し手の都合でどうにでもなると言うことです。こんなことを言われたらこちらも、ああそうですか。では仕事は仕事とこちらも割り切りますと言いたくなります。

 いろいろ書きましたが、今の時代教師に聖職意識を求めるのは無理です。仕事として教育に携わっているのです。警察官でも同僚を殺す時代なのですから。

 こちらは余り非難がなくて入学式に正規の手続きを踏み、上司も許可したのに非難されるのはおかしいです。まあ世間の人はいろいろなことを言うので仕方がないと思います。これで教師がますます萎縮しなければと思います。

 商売ではお客様は神様ですが、学校で保護者は神様です、生徒は神様です、何を言われても我慢しましょうでは教育はできないでしょう。

 現場を離れて7年目になりますが、こんなニュースを見ると早く現場を離れてよかったと思います。明日は所用で忙しいです。