新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

海上自衛隊いじめ自殺事件について

今日も晴天です。明日まで晴天が続きそうです。今日はツマクマの家事の手伝いです。それに洗車もしました。

 株価の方は値下がりです。今日も後場になって値段を下げて結局安値引けです。どうもオバマ大統領との会談でTPP交渉が解決しないとみられたようです。オバマ大統領も中間選挙を控えて日本に妥協する気はないようです。逆に安倍政権が高支持率なのだから、妥協してほしいと半分冗談まじりでオバマ大統領は話したようです。

 尖閣問題でアメリカの言質をとっても安倍政権はTPPでは妥協しないようです。統一地方選挙もあるのですからそう簡単に農業問題で妥協はできないでしょう。消費者としてはアメリカから安い牛肉や豚肉が輸入されるとありがたいのですが。

 今日は海上自衛隊いじめ事件について書きます。カテゴリを「軍事」にしてもよかったのですが、世の中には様々な考えを持っている人がいるので、こちらにしました。

 注目すべきは高裁判決だったからです。高裁は地裁より政府よりの判決を下すことが多いのです。また高裁の判事は地裁で経験を積んで高裁の判事になります。ですから経験豊富な裁判官と言えるでしょう。

 その高裁が7350万円という高額jの賠償を国に命じたのです。地裁では440万円だったのが10倍以上になっているのです。まさに懲罰的な賠償額といえるでしょう。アメリカでは事実に対する賠償額だけでなく相手が悪質な場合懲罰的な意味で相当高額な賠償を命じることがあります。(日本企業もこれに相当やられました。)

 日本でも最近懲罰的な賠償額を命じる判決が見られるようになりました。今回は国それも自衛隊が相手ですから高裁の裁判官も相当腹をくくった判決だったと思います。

 このような懲罰的な賠償額を支払えという判決が出たのは、自衛隊側で隠ぺいがあったからのようです。いじめがあったことを調査したアンケートについて自衛隊側は当初破棄して存在しないと裁判で主張したのです。ところが内部告発があって、その存在が明らかになりました。

 これは裁判官の心証にとって最低最悪な結果になりました。おじさんは社会科の免許状をとるため法律関係の単位を取りました。その中で裁判法の単位もとったのです。その中で裁判官の自由心証主義ということが書かれてありました。

 裁判官は裁判において証拠に基づき事件についてどのように理解するのかという心証を自由に形成してよいという考えです。簡単に言えば証拠に基づいて有罪か無罪かの心証を形成するのです。

 この場合、裁判官は国つまり自衛隊の行動が極めて悪質で自衛隊への信頼を壊す行為だと判断したのです。もし一審程度の賠償額では国のした原告に対する裏切りを償えないと考えたのだと思います。

 これは国及び自衛隊にとって大変な損失です。国民はまさか自衛隊が事実を隠ぺいしたりうその証言をしたりするとは思っていません。それだけ自衛隊を信頼したいたのです。この問題はトラブルが発生した際どうすべきかの一つの見本だと思います。

 このような出来事はおじさんも経験したことがあります。ある時某地方自治体の部署が問題を起こしました。そのことでおじさんも交渉に参加したことがあります。その問題は県内各地の学校関係者とかかわりがありました。

 普通そのような問題が起こった場合、当該部署がまず謝罪するか弁解するのが普通なのです。ところが、何とその部署の関係者は事実そのものの存在を否定したのです。この問題はある発言が問題だったのです。そしてその発言はまったく別のいくつかの場所でなされたのです。

 発言を聞いた人たちには横のつながりはありません。発言を聞いた皆が話合って抗議したわけではないのです。あるところであった抗議について別のところに問い合わせたら同じだと判明したのです。

 それなのに、そんな発言は一切なかったとシラを切るのです。本当に唖然としました。よくドラマで警察や企業の隠ぺい事件が取り上げられます。ままお話だろうと思っていたのですが、その出来事があって依頼自分も公務員だったのですが、国や地方自治体の言うことだからと言って頭から信じられなくなりました。

 この海上自衛隊の事件の場合、ある方が内部告発されたから明らかになったのです。新聞報道によればその方は内部情報を漏洩した罪で懲戒処分になったそうです。寡聞にして、事実を隠ぺいした関係者が懲戒処分になってはいないようです。

 隠ぺいは公務員の場合処分対象になるはずです。公務員で信用を失墜させる行為をした場合処分されます。
事実を隠ぺいして裁判所にうその証言をするなど信用失墜行為の最たるものです。ただ組織防衛のために隠ぺいしたのだと思います。

 最近マスコミでは自衛隊を好意的に描くことが増えました。おじさんも「空飛ぶ広報室」などを読みました。もちろんどこの世界でもそうですが、いい人もいれば悪い人もいます。やはりそれを公にしなければいけません。まずい情報こそできるだけ早く正確に伝えるべきです。

 それでも旧軍であれば内部告発などなかったでしょうし、たとえ内部告発があっても、裁判所が正面から受け止めることもなかったでしょう。また裁判官がそれを判決に反映させようとしても戦前であれば高裁の裁判官に軍部から圧力がかかったでしょう。このような判決が堂々と出せる時代になって本当によかったです。

 このような事実が秘密保護法で隠ぺいされることのないよう願っています。そういえば政府べったりの産経新聞などはこの事件をどう報道したのでしょうか。

 明日も家事手伝いです。