新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日本経済の時限爆弾ーそれは何

今日は昨日と打ってかわって晴天でした。かなり暑くなると聞いていたのですが、思ったほどではありませんでした。今日は午前中はツマクマの所用のお手伝いです。

 株価は30円ちょい安でした。まだ梅雨には早いのですが相場は曇り空から雨模様です。今日の朝刊の株式欄を見たらずらりと年初来安値の表示がでていました。とくに電機や機械などに多いです。

 多分今日の下げでまた明日も年初来安値がずらりと並ぶでしょう。おじさんも先日書いた電機株が年初来安値を更新したので指し値をしました。今日はその株は10円以上の値下がりです。

 技術もあるし伝統もあるのでまさか倒産はしないと思うので長期保有のつもりで買いを入れました。同じような考えの人がいるなら明日は大幅高となる可能性があります。別に買えなくてもいいので、取りあえず今週いっぱいということで指し値しました。

 タイトルの答えは「国債金利」です。今日本の国債金利は世界的に見ても相当低いです。理由は債券市場を日銀が管理しているからです。発行される国債のかなりの部分を日銀が買っています。

 異次元金融緩和というのは、日銀が政府発行の国債をどんどん買いいれて代わりにお金をどんどん出ことなのです。買うのは直接政府からでなく銀行からです。つまり日銀が銀行にお金をどんどん出しているのです。

 これによって市中に銀行からお金がでるようになれば景気刺激にもなるし、インフレにもなりやすいと考えているのです。それに市中金利アメリカより低ければアメリカの国債を買うことになり円を売ってドルを買うことになります。

 こうして円安の流れを作って輸出を伸ばそうというのがアベノミックスだったのです。ところが御存じの通り銀行に入ったお金は貸し出されずに日銀に預けられています。資金需要がないからです。それに銀行も資金需要があっても確実でない相手には貸しません。

 問題は日銀が狙った通りインフレになったり本当に資金需要が活発になった時です。今は強引に金利を下げています。人間で言えば体温が上がるべきところを解熱剤を使って抑えているようなものです。

 人間でもそうですが、体が体温の上昇を求めているのに薬で押せていると、どこかで限界がきます。日銀の例で言えば金利上昇に耐えられるだけの企業体質の改善ができたところで徐々に金利を上昇させようというのでしょう。

 経済活動というものは自然の流れ(アダムスミスのいう神の見えざる手)によって動いています。それを無理にせき止めていればいつか崩壊します。せき止められた期間と量が破壊力と関係します。

 バブルを思い出していただければよくわかります。株価の確か3万円くらいまで上昇しました。その分崩壊してすでに20年以上経過するのにまだ当時の半値以下です。

 今は国債バブルと言ってもいいでしょう。国債の価値が異常に高くなっているのです。崩壊はいつかやってきます。今の異次元緩和を続ければ続けるほどその破壊力は大きいです。

 おじさんでも分かるくらいですから財務省の高官は全員分かっているはずです。しかし、今安倍さんが絶好調なので、文句を言えないのです。官僚への政治支配のたまものです。

 崩壊前に日本経済が復活する望みはありません。去年は円安それもその前から30円以上の円安でした。対ドル70円台から105円台にまでなったのです。このおかげで企業は何もしなくても利益を得ました。

 物事は努力なしに幸運だけで利益を得ると努力しなくなります。「株を守る」の教訓の通りです。今回で言えばいざとなれば政府が何とかしてくれるだろうということです。

 金利が上昇すれば国債の価格は大幅下落します。そうなれば大量に国債保有している金融機関特に地銀に大きな影響がでます。またお金を借りている企業や個人(変動制住宅ローンなど)にも影響します。

 消費が大きく落ち込むでしょう。株価も下落します。それにアメリカとの金利差が縮まるので円高が進むでしょう。まもなく対ドル100円台をつけようとしています。異次元の金融緩和と続けると表明してもこのレベルです。

 もし金利が上昇したらあっと言う間に90円台前半まで円高が進むでしょう。対ユーロの方は完全に円高傾向が定着しました。そうなればダムが決壊したように円高株安債券安のトリプルパンチがきます。

 安倍さんにはすでに打つ手はありません。その前に懸案の集団的自衛権の問題を片づけておきたいのでしょう。金利上昇が先か集団的自衛権閣議決定が先か競争です。

 どちらも日本社会を揺るがす大問題です。水が上から下に流れるように金利上昇はデフレ脱却を目指す限り自明の理なのです。

 日本経済の墜落に備えましょう。天災は忘れた頃にやってくるです。以上の言説は何の理論的根拠のないおじさんのたわごとなので、まともに信じてはいけません。明日もツマクマの所用のお手伝いです。