新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

ダメージコントロールの必要性ー都議会を例に

今日は午後から暑くなりました。今日はツマクマのおけいこの送り迎えと買い物のお付き合いで一日終わりました。株価の方は9円高で引けました。まあ僅かながらでも値上がりで引けたところを見るとやはり買い意欲が強そうです。

 日経平均15000円を超えたところで調整の売りが入るはずなのですが、買いがそれ以上に強いようです。それに引きずられて対ドルもやや円安に振れました。これも101円台前半になってもおかしくないのですが、株高にひかれて101円台後半にきているようです。

 さて今日企業でも政治の世界でもダメージコントロールの必要性が叫ばれています。もともとダメージコントロールの必要性は艦船などについて用いられました。

 戦争で戦艦などに砲弾が命中した時その被害が他の箇所に広がらないようにするのがダメージコントロールです。隔壁を設けたりして浸水の被害を防いだのです。

 それが次第に広く用いられるようになりました。企業はもちろん学校などでもこの理念が必要になりました。今回の場合、都議会それも自民党のダメージコントロールのなさが際立っています。

 まず学校の場合を考えてみましょう。学校の場合はダメージとしては事故やいじめなど生徒に関するもの、教師の不祥事や過失などがあります。企業の場合でも事故やトラブルなどがあります。

 いずれの場合でも初期対応が一番重要になります。ダメージをコントロールしたりする場合の大前提は起こった事象をどうとらえるかです。かなり深刻な問題か軽微な問題かを判断することです。

 軽微な問題を大げさにしてダメージを広げる可能性もあります。ダメージをどう評価するかに全てはかかっています。今回の都議会の発言問題はまずダメージ評価の時点で間違っていたのです。

 本来深刻なダメージであるはずのセクハラ発言を軽微な出来事と判断してしまったのです。軽微な出来事の場合、無視して時が過ぎるのを待つのも一つのダメージコントロールのやり方です。

 ただだか議場でのヤジくらいと都議会自民党は判断したのでしょう。そのように判断したのは、自民党議員の間の現代の女性問題の共通認識が根底にあったようです。

 後日謝罪した議員はかって尖閣列島にも上陸した保守主義者だったようです。政治思想は保守主義でもいいのですが、議場でセクハラなヤジをするなど許されません。

 企業でも学校でもセクハラやパワハラについては相当気をつかっています。議員それも自民党議員の場合グローバルスタンダードから外れていたのでしょう。

 前提となる事態の認識がずれていたのですから、その後の転開もダメージコントロールとしては最低最悪な状況になりました。自民党の代表者も議員全員もヤジを一旦否定するのです。すでに間違いなく存在すると社会に認識された段階で事実そのものを否定するのはもっとも悪い対応です。

 警察が自動車の欠陥で事故が起こったと判定したのに、それは自社の責任でなく運転ミスだと主張する企業のようなものです。都議会の例で言えば多くの議員がヤジを聞いているのです、それも自民党席から聞こえたのに、いや誰も発言していないと言うのは前述した例のようなものです。

 この事態は海外でも報道されました。欧米のメデイアはそろって取り上げています。せっかく中国や北朝鮮の人権問題について非難をしてきた日本政府としてはそのメンツが潰れてしまいました。

 中国代表から国際会議で貴国は女性の立場を守ると言いながら首都の議員さんは随分な発言をされるのですねと言われても反論できません。

 都議会自民党のおかげで政府自民党は国際社会で大きなダメージを受けました。子会社のおかげで親会社が迷惑を被るようなものです。石割幹事長が怒るのもよく分かります。

 それでは今回のダメージコントロールはどうあればよかったのでしょう。簡単なことです。まずヤジが問題になってすぐ当該議員が謝罪し、自民党の議会代表者がマスコミに以後このようなことがないように議員の研修を深めますと言えば良かったのです。

 それで一件落着です。当該議員もそれ以上追及することはなかったでしょう。火事と同じです。バケツ一杯の初期消火で済むものをヘリコプターで空から水をまかないといけないほど広がったのです。

 個人のおいてもダメージコントロールの必要性がある場合を覚悟しなければなりません。おじさんも今回の例は他山の石としなければならないと思いました。

 明日はのんびり過ごします。