アベノミックスの限界
今日は午後からにわか雨との予想でしたが、全然雨は降りませんでした。今日は午前中家事を手伝って、午後からは家でだらだら過ごしました。
株価は下落しています。電機株だけ少し上がっていましたが他の持ち株は下落です。このところ様々な経済指標が下落しています。
政府もさすがに経済成長率を下げました。今日発表の貿易赤字も2年間連続で続いていますし、赤字幅も過去最高のようです。エネルギー関連の輸入が増加したのが原因のようです。新興国の経済も停滞で輸出が伸びないようです。
ところでアベノミックスもすでに1年半になりますが、すでに限界にきていると思います。アベノミックスがプラシーボ(偽薬)効果を持ったのも1年が限界でした。最後の盛り上がりが去年の年末の株価上昇です。
そしてその後株価は15500円の厚い壁と対ドル105円の壁を打ち破ることができません。それでも株価が一気に下落しないのは、政府が必死で買い支えていると見られているからでしょう。
政府が株価を買い支えると知っているので海外の投資家は安心して買っているのでしょう。しかし、経済のベースは弱いので15500円を超える力はないと海外の投資家は見切っているのでしょう。
ですからこの15500円近辺で売って、下げたところで買い戻しを続けていると思います。またアベノミックスの第一の矢の異次元金融緩和でお金がじゃじゃぶあるはずなのに、市中にお金が出回っているとも思えません。
また異次元金融緩和でアメリカとの金利差を利用し円安を導こうとしました。確かに一時に比べて円安にはなりましたが、102円が一番居心地のよい水準になりました。これ以上の円安はアメリカも望んでいないようです。
第二の矢の公共事業は建設業界の人手不足を導きだしました。そのため公共事業も進まなくなりました。少子社会が到来するのですから建設業界の将来はどう考えてもそれほど明るいものではありません。
公共事業にまわす資金も国債頼りです。いつか異次元金融緩和を終わらせた時日銀が買っていた国債はどうなるのでしょう。もし、アベノミックスが望んでいた景気が本当に回復して資金需要が増加したら金利は上昇するでしょう。
その時日銀が持っている国債は下落するし、大量に国債を保有している金融機関も膨大な含み損を抱えることになります。とくに地銀は将来少子化で経営が厳しくなる見込みです。少子化の本格化と国債価格の下落が重なれば金融不安を引き起こします。
今の経済状態で本格的な規制緩和をやれば大混乱になるでしょう。タクシー業界の規制緩和がその例です。規制緩和のおかげでタクシーが増えすぎて運転手の待遇が低下しています。そのため再び規制を強めようという傾向にあります。
混合医療の条件緩和も大変な医療格差をもたらします。今どんな高度なガン治療をしても限度額制度があって、最高8万円程度で済みます。一方健康保険適用外の重粒子照射治療ですと1回300万円とか免疫療法ですと1回70万円とかです。
日本の医療の良い点は世界最高レベルに近い医療を他の国では信じられないほど安い金額で受けられることです。これで日本の長寿が維持されているのです。
金持ちだけが最高の医療を受けられてそれ以外の人は低いレベルの医療しか受けられないのは大変です。あアベノミックスが失敗したのは明らかです。異次元のことを始めたのですから、逆にこの政策を終わる時も異次元の痛みをもたらすでしょう。
異次元金融緩和はいつかやめねばなりません。ハードなことをしたのですから、終わりもハードランデイングになるでしょう。時がたてばたつほどその痛みは強いものとなるでしょう。
国の借金を返すため年金は減額され税金は上がり、医療も福祉もその水準を切り下げられることになるでしょう。もし今の安倍政権やその亜流政権が続いているとすれば、軍事費だけが増えているということになるかもしれません。
そんな時代が来るのが少しでも後になるのを願っています。明日はツマクマの買い物もお伴です。