新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

人民解放軍の印象ー中国での体験から

今日は早朝こそ雨でしたが、その後は薄曇りの一日でした。今日は結婚式に使った費用の計算や片付けなどをしました。ほぼ結婚式関係の仕事は終わりです。

 株価の方はちょい高で終わりました。日経平均15500円に入ってから動きが急に悪くなりました。何とか話題を作って株価を上げようとしているようにしか見えません。さすがに安倍政権が笛を吹いても乗ってくる人は少ないようです。低位株が出来高上位に並んでいます。相場がマネーゲーム化しているようです。

 僅かな値動きで大量に売買しているようです。今日は建設株が値上がりしました。おじさんの持ち株の建設会社の株も年初来高値を更新しています。それでも他の建設会社の株価と大きな隔たりがあります。公共工事東京オリンピックと材料に事欠かないので当然かもしれません。

 さて先日あるサイトに中国の人民解放軍は恐れるに足りない。幹部は腐敗し、兵士の士気も低いのだから大したことはないのだと書かれていました。日本にいる限り人民解放軍の姿を見ることはありません。

 逆に最強の自衛隊というほめ言葉が飛び交っています。しかし、不祥事を起こして逮捕される自衛官も結構います。韓国軍だけでなく自衛隊でもいじめやパワハラ・セクハラがあっています。

 おじさんは軍事マニアでもあるので、中国にいたとき中国軍(正式には人民解放軍ですが面倒なので以下こう呼びます)を紹介する軍事報道の番組を見ていました。

 自衛隊でもそうですが、戦争以外に民生協力や災害派遣があります。中国軍も同様です。民生協力や災害派遣では民衆に大歓迎されていました。兵士も当然ですが、高い士気です。時として殉職することもあります。そんなことも報道されています。

 日清戦争当時清国軍の士気は低く装備も劣悪でした。国民の信頼もありませんでした。今は違います。ある中国人の先生は解放軍は国民に好かれているのですよと言っていました。中日戦争や国共内戦時でも国民党軍などの士気は低かったです。しかし、朝鮮戦争ではアメリカと互角に戦いました。

 今の中国軍の士気はどうでしょう。まず兵士から書きます。中国人の先生の話では、軍隊は高卒の人にはよい就職先だということです。街角に「兵士に応募する者が出るのは家の誇り町の誇り」と横断幕が掲げてありました。軍隊に採用された兵士は一度地区の軍の施設に集合します。

 おじさんの町にもその施設がありました。兵舎のようなものでなく立派なホテルです。それでもさらに人材を募集するため、大学生のまま入隊する制度もあるようです。一度中国の名門の大学の学生さんが兵士として勤務する姿が放映されたことがあります。
 
 日本でいえば東大の学生が二等兵として勤務するようなものです。おじさんの大学の軍事訓練には兵士クラスの人が教官として来ていました。最終日の全体訓練には将官クラスの人が視察に来ていました。

 その兵士クラスの人はとても熱心で国立大学の学生さんに劣等感をもっているようにも、うらやましがるようにも見えませんでした。軍事基地の前を通ったこともありますが、日本の自衛隊基地の衛兵と少しも変わりません。

 士官クラスについて書きます。大学の正門の前に士官募集の立て看板があるとき立っていました。技術系の士官を募集していたのです。電子工学の学生を特にほしがっていました。おもしろいことに勤務地も書いてあって、その地域で何の専攻を何人募集と書いてありました。

 もちろん僻地のレーダー基地だと募集人員も多いです。給料から昇進まで細かく書かれていました。大学には国防生と呼ばれる人たちもいました。国防生だけの宿舎もあり、夜や早朝には訓練をしていました。

 軍事訓練も国防生もそうですが、日本の体育系の高校生の方がよほどしっかりしています。軍事訓練は日本の高校生の集団訓練の方が上手なくらいです。高校まで勉強一筋の中国の大学生は集団行動が苦手です。

 日本の場合、小学校の運動会から入場行進があり高校レベルになると軍隊並の行進ができます。それもいやいやでなく、進んで訓練に参加するのです。

 軍事学の教科書も見ました。戦前の教練と比較すると雲泥の差です。軍事訓練は必須でおまけに座学もあります。ところが試験が終わるとテキストは教室に捨てて帰るのです。ですから教室は軍事学の教科書が散乱しているのです。戦前の日本で教練の本を教室に捨てたりしたら大変なことになります。

 軍事学のテキストはお粗末で、カラー写真が一枚もありません。漢字なので中国語を知らなくても大体内容は分かります。10年前に書かれたものをそのまま継続して使っているようです。

 日本のマスコミは軍事訓練を誇大評価しているようです。日本の場合やるとなったら徹底しますが、中国では上に政策あれば下に対策ありです。学生も適当にやっているのです。軍事訓練の時、迷彩服を忘れてジャージ姿の学生もいました。あるグループは小型の椅子をもって移動していました。

 もちろん軍事訓練中は救急車が待機しています。教練のような精神主義はとらないのです。軍歌の合わせて踊っているのを見たこともあります。

 最後にそれでは中国軍の士官はどうかについてです。おじさんが出会った士官はとても優秀でした。ある観光地に行くため高速バスに乗りました。高速バスと言っても高速道路を通るわけではないのです。田舎道を通ってある目的地まで走りました。

 高速道路ではないので、昼食は道沿いのやや大きなレストランで取りました。そのバスには制服姿の中国軍将校が乗っていました。20代後半くらいの人です。出張でどこかに行ってその帰りだったようです。

 おじさんたちは通訳の学生さんと一緒でした。昼食が終わった後、のんびりしていると、その将校が近寄ってきて学生さんに何か言いました。日本人だから反日的なことを言われたのかと思いました。

 学生さんが言うには「電話があって急いで基地に帰らなくなった。それで申し訳ないが今からバスを出してもらいたいと思っている。ついてはそのことを日本人の人たちに了解するよう伝えてほしい。」ということでした。

 その態度からは高飛車な姿勢は全く見られませんでした。人柄は顔にもでます。ツマクマと二人で、さわやかな軍人さんだねと話し合いました。きっと優秀なのだろうと話し合いました。軍といっても武装警察の人です。

 たった一回の軍人さんとの接触でしたが、何かほのぼのとしたものを感じました。高級将校は汚職をしているかもしれませんが、現場の将校も兵士も日本のマスコミが侮るようなものではありません。

 かって世界最強の軍隊は将軍はアメリカ人、将校はドイツ人、下士官は日本人、兵士はイギリス人と言いました。おじさんの感じでは中国は将校といったところです。

 中国で生活していて一番不足しているのは下士官に相当するクラスです。日本では現場第一でも尊敬されますが、欧米や中国ではそれほど尊敬されないのです。腕の良いベテランの職人さんの不足を工事現場などで痛感しました。

 明日はツマクマの買い物のお手伝いです。