新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

遠き慮り(おもんばかり)なければ近き憂いありー経済編

今日は一日降ったりやんだりの天気でした。木曜日は買い物デーで今日も近くの農協に買い出しにでかけました。以前書いたように開店前から行列ができる店です。

 開店してすぐ新鮮な野菜を買おうというのです。開店から1時間もするとあらかた新鮮なものはなくなってしまいます。海も近いので魚などもおいてあります。

 午後はだらだら過ごしました。日経平均は80円弱の値下がりでした。一時100円を超えていたのですが、そこまでは下げなかったようです。おじさんの持ち株はすべて下落です。対ドルも103円台ですから当然日経平均もこんなところでしょう。

 さてタイトルの言葉は「遠慮」の語源になった言葉です。遠い先への深い考え(慮り)がなければ、まもなく困ったこと(憂い)があるという意味です。

 安倍さんが経済政策を発表した時も書きましたが、彼の経済政策は将来問題をもたらすと考えたのです。国債を日銀に買わせてどんどんお金を市中に放出する。それで円安にして輸出を増加させる。一方公共事業を盛んにしてお金をばらまくというのが政策の柱です。

 円安になりましたが、輸出は増加しませんでした。すでに産業構造が変化していたのです。円安になっても企業は海外から戻ってきませんでした。また企業も国内で設備投資を増やすこともしませんでした。

 逆に輸入が増加しました。原発の稼働停止が主因です。だからと言って年内に原発を稼働するのは無理です。消費税値上げのため物価が上昇しました。しかし、賃金は物価上昇分まで上がりませんでした。

 新興国の労働者と競争している現在企業がどんどん値上げをするのは無理です。人口減から国内需要も見込めません。

 こうして安倍さんの経済政策は破たんしかけています。問題はこの先です。消費税値上げは国際公約です。日本の財政赤字を減らすためには消費税を値上げして税収を増やさなければなりません。

 安倍さんは企業業績が向上し、消費が増えれば税収もそれに伴って上がるはずだ。また企業業績が上がって給与が上がれば消費税が少し上がっても国民は耐えられると考えたのでしょう。

 しかし、物価上昇分ほどは給料は上がりませんでした。ここで消費税を来年値上げすれば間違いなく消費は落ち込むでしょう。前回の消費税値上げの時は駆け込み需要がありました。あれから1年でまた消費税が値上がりするからと言って直前に消費が盛り上がるとは思えません。

 毎年車を買う人も家を建てる人もいません。車を買おうと思っている人はすでに買っているでしょう。家を建てる人はすでに建てているでしょう。今度値上げすれば国民の反発は高まります。

 今安倍さんは内閣改造で頭がいっぱいでしょう。景気も何とか回復すると考えています。しかし、相場はそう見ていないようです。4月から9月までの半年の経済統計が間もなく発表されます。それを見て来年の消費税値上げを考えようと安倍さんは思っているのでしょう。

 前回の消費税値上げにはおじさんも賛成でした。しかし、物価は上がるは年金は下がるはの状況で今度の消費税値上げには反対です。

 以前は日本経済のために原発再稼働もやむなしと考えていました。しかし、原発事故の除染にかかる費用や問題解決の困難さを考えると原発再稼働を素直に受け入れらなくなりました。

 原発停止中にも関わらず今年は電力不足という話も聞きません。また日本海側でも地震津波の影響が発表されていました。

 安倍さんがどこまで将来のことを考えているのか不明です。第三の矢と言われるものも、その実現性には疑問符がつきます。このまま安倍さんの経済政策が継続すれば、近い将来どこかでドカンと問題が起こる気がします。将来の最大の問題点は出口政策です。

 いつ日銀の国債買い取りをやめるのか。その時誰が国債を買ってくれるのか。買う人が減れば国債の価格は下落し国債保有する機関や個人は損害を被ります。

 どうも安倍さんは経済について将来の深い考え(遠き慮り)がなさそうなので、そう遠くない将来困ったこと(憂い)がありそうです。

 明日はのんびり過ごします。