新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

マネタリズムはどこに行ったのでしょう。

今日は午前中は降ったりやんだりでした。夕方からまた雨になりました。今日は一日ツマクマの所用のお伴です。

 ところで今日も日経平均は上昇していました。と言っても50円ちょいの上昇だったようです。政界では内閣改造や党役員改選などで大変なようです。しかし、株価の方は全く無反応のようです。

 日本の場合大臣には大した力はないので誰がなってもそれほど大きな変化はなさそうです。アメリカのように大臣(長官)の個性が出るわけでないからです。アメリカの場合、歴史に名前を残す長官が結構います。ベトナム戦争時のマクナマラ国防長官や古くはダレス国務長官などです。

 クリントン国務長官なども知られています。ところで株価の方は建設株だけがどこもコンスタントに上昇しているようです。おじさんの持ち株の建設会社も年初来高値を更新していました。別段お金が必要でないのと、とくに買いたい株もないので放置しています。

  ところで、一時マネタリズムという考えが流行しました。今の日銀の総裁などもこの流れを組みます。簡単に言えば現在の日本経済の不調は世の中に流通する貨幣が不足しているからだと主張するのです。

 おじさんの息子の指導教官の先生もそうでした。この先生は日本経済史が専門で高橋是清の経済政策を参考にもっと貨幣を世の中に流通させるべきだと主張していました。

 一般の雑誌などにも投稿していました。ところが最近この先生の主張は全く雑誌などでも見ません。日銀は国債を大量に買い付けてその代金として貨幣を市中に出しました。これがどんどん市中に流れれば目論見通りだったのです。

 現在の日銀総裁も、貨幣が市中に大量に流通すれば、インフレが起きるし、インフレが起こると分かれば市民も先を急ぐように商品を買うだろう。そうなれば物価は上昇しデフレから脱却できる。また貨幣が大量に出回るので円の価値も下落し円安になるだろう。

 円安になれば輸出に有利に働くと考えたようです。ところが日銀総裁マネタリストが考えた通りにはなりませんでした。まずお金がジャブジャブ市中に出回れば銀行はお金を企業に貸すだろうというところから目論見がはずれました。

 企業でも好調なところは内部留保が沢山あります。ですから銀行からお金を借りる必要はありません。逆に銀行からお金を貸してほしいところは何か問題があるので銀行も貸しません。住宅金融などは金利が低すぎて儲かりません。

 そこで金利はほとんどつかないが日銀に預けることになりました。出回ったお金は株式相場や不動産相場に回りました。それも限界があります。日経平均15500円くらいでとまっています。

 円安も103円くらいがちょうどよいようです。目論見と違ってまず輸出が増えませんでした。これは現地生産が増えたからです。逆に輸入は原発停止のおかげで石油や天然ガスの輸入が増大しました。

 輸出が増えないのですから、企業の設備投資も増えません。また一時ほど円安の効果もなく賃金の値上げも見込めません。インフレだけは起こりました。

 結局国民は給与は上がらないのに物価は上昇。消費税も上がってさらに生活が苦しくなりました。おまけに景気浮揚と言って政府予算は100兆円を越え史上最高に達しています。それなのに企業減税を行って税収は減少しそうです。

 またまた財政赤字が増えます。公共事業も人件費や資材の値上がりでうまく進みません。アゴラに投稿している経済評論家は原発再稼働と雇用改善(正社員の解雇を容易にする)で経済の再構築をと述べています。

 どちらも難しいでしょう。言えるのはマネタリストが主張した貨幣をどんどの市中に流通させたら問題が解決するというのは間違っていたということです。グローバリズムを見落としていたのです。

 このままアベノミックスを放置すれば国家財政や国民経済は破たんするでしょう。と言ってもほとんどの国民は経済に関心がないのでどうにもなりません。沈みゆく船を甲板で眺めているしかありません。

 明日はのんびり過ごします。