新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「蒋介石相手にせず」の教訓

今日は一日晴天でした。久しぶりです。午前中は家事の手伝いをして午後から本屋さんに行きました。本当は明日行くはずだったのですが、明日は雨とのことで取りあえず今日行きました。9月になって初めてです。

 日経平均は200円近く値上がりしたようです。おじさんの持ち株も電機株が値上がりしました。その分建設株が値下がりしたのでとんとんです。円安が影響したようです。ドル建て債も結構もっているので、それはそれで有難いです。

 さて今日は最近のアジア情勢について書きます。おじさんのブログは穏健を第一にしています。荒らしの人が来ないように、タイトルも書き出しも注意しています。書き出しの数行を見ただけでおじさんと意見の違う人は出ていくでしょう。それを狙っています。

 最近対韓外交で、韓国を無視しろという意見が出ています。さすがに中国を無視しろという意見はありません。中国については近代を除けばずっと中国の方が日本より優位にあったからです。それに企業も13億の市場を無視できません。

 それに比べて韓国はかって併合して日本の一部になっていたのです。それに国力から言っても問題になりません。ですから、中国以上に韓国の姿勢については日本側に不満があるのです。

 ところで「蒋介石相手にせず」というのは戦前の確か近衛内閣の声明であったと思います。蒋介石が日本を侮辱しているし、いくら説得しても理解してもらえないのだから相手にしないということです。

 これには日本中が喝采を贈りました。日本は国際連盟からも脱退しました。これについても日本のことを分かってくれない国際連盟など無視しろという国民世論の結果でした。

 今国際機関は捕鯨問題でも人権問題でも日本に要求突きつけています。日本の立場で言えばそんなことは言われる筋合いはないということなのでしょう。戦前の日本の場合も同様です。

 その結果日本は世界から孤立しました。日本が韓国を無視すれば、困るのは韓国だ。そのうち日本に泣きついてくるだろうというのが韓国無視論の論拠でしょう。「蒋介石相手にせず」の論理も全く同じです。国際連盟脱退も同様です。

 世界中が日本の脱退で困るだろう。そうなれば国際連盟に戻ってくれと頼みに来るだろう。そうしたら戻ってやろう。国際連盟など加入しなくても日本独自でやっていけると考えたのだと思います。

 今考えれば日本の力を過信していたのです。逆に言えば他国の力を侮っていたのです。今日本賛美論が盛んです。日本が素晴らしいことと、日本を支持してくれるのとは別です。かって日本文化はジャポニスムとしてヨーロッパ中で愛されました。

 しかし、第二次大戦で日本は攻撃されました。文化や国民と国際政治は別なのです。韓国を無視し、韓国経済が崩壊した時、韓国は日本にわびを入れて援助を頼むでしょうか。

 韓国国民はそれより中国に援助を依頼するでしょう。アメリカもみすみす韓国経済が崩壊するのを見過ごさないと思います。なぜなら韓国が中国の援助によって支えられるなら東アジアでの足がかりを失うからです。

 中国・韓国・北朝鮮が一体となった時、日本は大陸に足がかりを失います。同じ組織内で付き合いの難しい人がいたときどうするでしょう。その人を無視すれば組織の力は減退します。

 難しい人こそあらゆる手段を使って和解しなければならないのです。外交というのは仲のよい国同士の付き合いのためにあるのではないのです。付き合いの難しい国との和解のためにあるのです。

 無視というのは最低最悪の方法です。おじさんは教師だったから良く分かります。教師に好意的な生徒ばかりではありません。過去に教師とトラブルがあって教師に反抗的な生徒もいるのです。

 そんな生徒を無視するのは簡単です。しかし、そんなことをすれば教師失格です。逆にそのような生徒のために教師はいるのです。

 「蒋介石相手せず」と声明を出したとき国民は歓喜したでしょう。しかし、その結果中国との和解は成立せず、中国はアメリカに救いを求め最終的には日米開戦へとつながりました。

 政治家は国民世論に迎合してはいけないのです。今嫌韓・嫌中が国民世論です。そんなときにこそ、打開の道を探らなければなりません。時に外交問題の棚上げや妥協も必要です。

 まあおじさんが何を言っても安倍さんが聞いてくれるはずもありません。こんな不人気のブログでつぶやくのがせいぜいなのです。

 明日は雨のようなので家で過ごします。