新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「老後破産の現実」を見て

今日は昨日見たNHKの番組について書きます。「老人漂流社会」のサブタイトルが「老後破産の現実」です。年金生活をしているおじさんには身につまされる番組でした。

 老後破産とは、年を取って破産することではありません。老後の生活が破産していることを示します。老後が破産した最大の理由は年金の少なさと預貯金の少なさです。

 それに老後破産する高齢者は単身者がほとんどのようです。これは年金生活をしているおじさんにはよく分かります。日本の年金制度は基本的に夫婦の年金を合算して成り立つようになっています。

 国民年金を完全に払い終わると、68000円くらい月に来ます。夫婦なら月に13万円くらいになります。借家だとしても月6万円の家賃を払ってもまだ月に7万円程度残ります。

 ところが単身者だととても一人で生きていけない額になります。国民年金受給者は自営業や農業、職人さんなどが多いです。

 カテゴリを就職にしたのは、老後は就職で決まるからです。テレビで登場した年金生活者も若いころは老後のことなど何も考えなかったと話しています。元気に働いていれば老後も何とかなると考えたのです。

 若ければ仕事も見つけやすいし、月15万円くらいならすぐ稼げます。しかし、年収300万円くらいでは預貯金は難しいです。また現金収入の少ない農業などでも預貯金を殖やすのは難しいです。

 年金はまもなく破たんするから自分で年金を積み立てた方がよいといって国民年金を払わない人がいます。しかし、民間金融機関が破たんする確率の方が国家が破たんする確率より高いです。おじさんもかって加入していた生保会社が破たんしました。

 その後その会社は外資に吸収されたので事なきを得ました。経済状況次第では金融機関でも破たんします。さて、それでは老後破産しないためにはどうするのでしょう。

 困ったことに若者が望むような生活をすると年金破産に追い込まエル可能性が高いです。年金額はおじさんももらい始めてよくわかったのですが、給与額と同時に加入期間が重要なのです。

 1年間だけ高額の給与であとは低い額の給与より、ある程度の給与を長年続ける方が年金額が多くなるのです。つまり、寄り道を全くせず、大卒なら22歳から60歳までずっと同じ会社や役所に勤め続けると同じ年でも最高額に近い年金がもらえるのです。

 とは言ってもこれから年金をもらう予定の人は月20万円まで行くのは難しいかと思います。この金額の年金をもらうには大企業か公務員に22歳で就職してずっと働き続けなければなりません。

 転職などして厚生年金の空白期間ができると年金が下がります。また空白期間に国民年金加入の手続きをしないと国民年金も満額もらえません。

 日本の年金制度はレールから全く外れず走り続ける人だけが沢山年金をもらえる仕組みになっています。在職中の給与で年金つまり老後の生活が決まるのですから、チャレンジをして失敗した人には厳しい老後が待っています。

 テレビに出ていた方も脱サラでお店を始めたけれど失敗し、その後いろいろ仕事をして80歳過ぎて年金は10万円です。病院に行くお金もなく電気代も滞納して電気を止められていると話していました。この方も脱サラせず企業で働き続けたら20万円近い年金をもらえたはずです。

 大企業でなく中小企業を目指せという意見がマスコミで良く取り上げられます。大企業に就職できるのに中小企業に行くのはリスクが高いです。大企業の場合企業年金などもあります。これが結構ばかになりません。

 それに老後破産を食い止めるのが預貯金です。老後最後に手にする大金が退職金です。大企業や公務員の大卒の場合数千万円になるでしょう。ところが中小企業の場合そんなことをしたら倒産してしまいます。

 今都会で老後破産した人のかなりの部分が高度成長期地方から集団就職などで上京し、そのまま都会に住み着いた人だと思います。中卒で工場やお店に入った人たちです。おじさんもその時代の人間なのでよくわかります。

 大企業に入るにはよく言われるようにトップクラスの大学に行かなければなりません。そのためには高校時代から勉強しなければなりません。トップクラスに大勢の生徒が入学する高校に勤務したことがあります。

 やはりトップクラスの大学に入学する生徒は優秀です。勉強だけでなく部活でも校内の活動でも積極的だし自信もあります。

 今は余りはやりませんが、一流大学を出て一流企業か公務員になって一生そこで勤め上げる生き方が老後破産しない一番のやり方かもしれません。大企業でも破たんしたりリストラがあるといいます。それは事実ですが、大企業が破たんする可能性は中小企業が破たんする可能性より低いです。

 マスコミのいう言葉を信じて生きると老後破産にまっしぐらということになるかもしれません。今老後破産の可能性が高いのが非正規社員です。また家事手伝いの名目で結婚せず、さりとて働きもしないで家でぶらぶらしている女性です。

 老後破産を防止するもう一つの方法は正社員として働いている女性と結婚することです。二人で定年まで働けるなら年金も十分すぎるほど来ます。おじさんの業界で共稼ぎの方の年金は夫婦合わせると一流企業の社員並みです。

 それに旦那が死んで単身になっても自分の年金で十分やっていけます。地味で面白くない人生を歩むと老後破産から免れます。

 明日は家の仕事で忙しいです。