安倍政権の未来ー経済と外交
今日は大きく株価が下がりました。安倍さんの所信表明演説があった直後株価が大きく下がったのですから、株価政権ともいわれる安倍政権にとってはショックだったでしょう。
かっては輸出立国と言われたものですが、今は見る影もありません。輸出の花形であった電機関連企業があの調子ですし、輸出をリードした商社も大変です。
それに円安を狙ったのは良かったのですが、円安になった割には輸出は伸びず逆に円安のおかげで輸入物価だけが上昇しています。インフレ政策で物価上昇を狙ったのは良かったのですが、物価上昇は達成されたのに、賃金の方は今日の発表で8月で前年比実質賃金がマイナス2,6%だと分かりました。
鉱工業生産指数も前回比マイナス1,5%です。去年は安倍さんの経済政策をはやしたマスコミも全く沈黙です。本屋さんからもアベノミックス関連の本が姿を消しました。
12月には消費税引き上げについて決断を迫られています。今の情勢はどんなに強弁しても景気回復からは程遠いものです。日銀はこれから景気が良くなると主張して、追加の金融緩和はしないようです。
自民党内部でも円安を問題にする動きもあります。同時に消費税引き上げ延期を求める声もあります。現在の状況で消費税引き上げを実施すれば、来年の景気がダウンすることは明らかです。
さりとて幹事長の谷垣さんは強く消費税引き上げを主張しています。もし引き上げないとなると三党合意を反故にすることになり、与党の公明党の顔をつぶすことになります。集団的自衛権の問題では公明党の顔をつぶしたのですから、公明党としても簡単には引き下がらないでしょう。
北朝鮮がそんなに簡単に妥協するとは思えません。今回の実務者会談でも成果はなかったようです。帰国した外務省の局長が夜安倍さんに報告するようです。もしよい内容ならすぐに報告するはずです。国会開会中でも、さらに言えば国会開会中だからこそ、良い報告ならすぐメモだけでも渡すはずです。
ロシア問題でも今年度中のロシア大統領の訪日はなさそうです。安倍さんの外交が行き詰っていることは中国も承知しています。福田さんが特使として派遣され、また親中派の谷垣さんを幹事長にすることで中国側にもサインを出しています。
中国としても、日本側と接触することに前向きなようです。中国側との接触が進み首脳会談ということになれば、保守派のマスコミはがっかりするでしょう。今の中国への接し方を見れば、日本側が必死で首脳会談を求めていることがみえみえです。
結局経済にしても外交にしても安倍さんは異次元のものを求めました。異次元の金融緩和がそれを象徴しています。従来の敵であったロシアと北朝鮮を外交の相手とするのも異例です。
結局今のところうまくいかないようです。このまま進めば、経済でも外交でもデッドロックに乗り上げてしまうでしょう。案外消費税引き上げと引き換えに安倍退陣などということもあるでしょう。
消費税引き上げを強引に行ったため消費は落ち込み、デフレに戻り、支持率が低下して政権維持が難しくなる可能性もあります。もちろんその時は谷垣幹事長がすぐに交代できるように控えています。
そうなれば、右に偏りすぎた政権運営を真ん中まで引き戻し、中国・韓国とも関係改善をはかり、外交的にも安定したものになると思います。
財政規律の改善を谷垣さんならはかるでしょうから、円安から円高に進み物価も安定すると思います。おじさんは心密かに安倍さんが政権投げ出し2回目をやらないかと願っています。
明日もいろいろ忙しいです。