新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

安倍さんの決断とその波紋

今日もまた株価が下落しました。とうとう日経平均15500円を割ってしまいました。9月の最高値から1000円近く下落しています。

 IMFの経済見通しでもアメリカ以外景気をけん引する国はなさそうです。原油価格も、かって1バーレル当たり100ドル近くしたのが85ドルくらいまで下がっています。

 原油消費国の経済が低迷して需要が減少するからでしょう。さて、いよいよ安倍さんも消費税引き上げ問題に決着をつけたと思います。

 本人は12月のGDPの結果を見てと言っていますが、そんなことを信じている政治家はいないでしょう。12月などに引き上げるかどうか決めていたら経済の変化に間に合わないからです。

 おじさんの予想ではすでに引き上げ延期を決めていると思います。最大に理由は支持率です。もし、今の経済状況で引き上げを決めれば支持率は40%を割る可能性があります。今前回の消費税引き上げと円安で苦しんでいるのは地方と中小企業です。

 どちらも自民党の大票田です。もし、消費税を引き上げた後野党が自分たちが勝ったら消費税をもとに戻すと主張する可能性があります。野党が政権を取る可能性はないのですから、実際は選挙に勝っても消費税を引き下げることはできません。

 ただ将来憲法改正を目指す安倍さんには痛手になるでしょう。地方選挙では与党にとって消費税引き上げは不利になるだけです。地方議員は誰も消費税引き上げなど願っていません。

 もちろんスケープゴートが必要です。それは日銀総裁です。彼は今でも景気は回復している、消費は回復していると言っています。そんなことを安倍さんが信じているはずはありません。

 消費税引き上げができなければ、それはアベノミックスの失敗を示します。日銀総裁はこれまでの日銀の政策を批判し、異次元の金融緩和を行ったのに、1年半近く経過したのに経済成長率が2%に達しなかったからです。

 今頃経済専門家でアベノミックスを信じている人はいないでしょう。ところで引き上げ延期となると、日銀や政府の信頼が失われて円安がさらに進むでしょう。120円程度まで円安になると思います。

 お金持ちはそれを見越してドル資産を増やしている可能性があります。株価は残念ながら下落ということになります。120円まで円安が進めば輸出企業以外大変な赤字になるからです。もちろん物価は上昇し、年金生活者や中小企業の社員は物価高に苦しむでしょう。

 安倍さんの支持団体の経団連は大企業それも製造業が多いので支持は変わりません。国民も消費税引き上げ延期に喜んで安倍政権支持を続けるでしょう。

 1年半後に再度消費税引き上げを行う予定なのかもしれませんが、一度延期したものをもう一度実施するというのは大変な苦労がいります。もう安倍政権にはそんな力は残っていないでしょう。

 財務省はもちろん消費税引き上げ延期に反対です。表だっては動きませんが、しっかりしっぺ返しをするはずです。役人はさまざまな情報を握っています。その情報を流さないという形のしっぺ返しが一番有効なのです。

 来週は火曜日から市場が開きますが、どうなることでしょう。