新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

イスラム国に対するトルコの立場

今日の株式相場は昨日の下げをほぼ埋めてしまいました。このところ毎日株式相場は嵐のような状態です。年末にかけてどうなるのか全く先が見えません。

 以前売りそこなったので、今度目標の値段まで来たらいくつかの株式を処分しようと思っています。そういえば、4月~9月の貿易収支の赤字が過去最高になったと報じていました。

 世界的な景気後退が続く中、日本経済だけが安泰とはいかないでしょう。ところで今日は珍しく中東情勢について書きます。今問題になっているイスラム国問題のカギをトルコが握っていると思うからです。

 トルコは中東では珍しく政治的にも経済的にも安定しています。またイスラム教の国ですが、長らく世俗主義を国是としてきました。工業水準も中東諸国では一番です。

 さらに言えば軍隊の能力も中東一と言えます。ご存じの方は少ないと思いますが、朝鮮戦争の時国連軍としてトルコ軍が参加しました。中東のほとんどの国の軍隊が国内向けなのに対して、トルコ軍は対外戦争もできるレベルです。

 装備も結構充実しているし、武器の国産化もしています。つまり、もし中東諸国の中で本気でイスラム国を倒そうとするなら、トルコが最適です。とくにアメリカなどは地上軍の派遣をいやがっていますが、トルコ陸軍がイスラム国掃討に乗り出すなら、イスラム国はあっという間に崩壊するでしょう。

 イラクやシリアの兵隊などとは比べものにならないほどトルコ軍は精強です。しかし、現実にはトルコはイスラム国掃討に消極的です。それは今イスラム国が相手にしているのがクルド人だからです。

 クルド人はトルコを含む中東全体に住んでいます。とくにトルコはクルド独立運動に苦しめられてきたのです。いわば仇敵ともいえる相手です。もしイスラム国掃討に協力すれば、クルド人の力が増加することになります。

 イスラム国がクルド人を痛めつければクルド人勢力が弱まることになります。しかし、イスラム国の増大を見過ごしことはできません。世界中からイスラム国は非難されているのです。イスラム国の暴虐な行動を見過ごせば世界中から非難されるでしょう。

 アメリカもイスラム国掃討に協力するよう求めています。ただイスラム教を強化したいトルコの大統領にとって難しいところです。それと以前イスラム国にとらわれていた人質をイスラム国が解放しました。

 この際イスラム国とトルコの間で何らかの密約があった可能性もあります。またイスラム国掃討に協力すれば国内でイスラム国支持者によるテロも懸念しています。

 このままトルコがイスラム国の増大を見過ごせばイスラム国の勢力は拡大するでしょう。アメリカも必死で説得しています。安倍さんもトルコにイスラム国掃討への協力を要請すればと思うのですが。

 そこまで今は気が回らないのかもしれませんね。明日の株式相場が気になります。