年金の株式購入の危険性ー年金半減に備えよう
昨日は追加の金融緩和について書きました。今日はその陰に隠れてあまり話題にならなかった年金の株式購入拡大について書きます。
年金と簡単に言いましたが、厳密にはGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)です。積み立てられた年金を運用している組織です。
これまでは年金の運用は国内債券が中心で、運用の60%をしめていました。おじさんもそうですが、年金は引退したシニアにとっては命綱です。年金がなければ今ある国内の預貯金などあっという間になくなってしまうでしょう。
今回発表になったのを見ると株式の割合を大幅に増やすようです。国内株式の割合を12%から25%に増加させ、外国株も12%から25%にするようです。簡単に言えば年金積立の半分を株式投資で運用するということです。
それにあまり話題になりませんが、外国債券の割合も12%から15%に引き上げるようです。こうして安全を第一とした国内債券は60%から35%に減少します。60%から35%に減少した国内債券の大半は国債でしょう。
この国債を買うのはもちろん日銀です。今日銀が国債を買い占めているため、国債が不足して、金利以上のお金を出して国債を買うマイナス金利にまで至っているのです。その国債不足のおり年金から膨大な国債が放出されるなら日銀はマイナス金利を心配しなくて済みます。
日銀が国債を年金から買えばそのお金が年金へ回ります。そのお金で年金は内外の株や外国債券を買うのです。ここまでは何の問題もありません。問題はその先です。こんな決定をする政治家は株式投資の怖さを知らないのです。
おじさんは22歳就職してすぐ株式投資を始めました、1970年のことです。それから高度成長・バブル・バブルの崩壊と株式投資を経験してきました。株式投資ほど怖いものはありません。小泉さんの時代確か株価が日経平均7000円台まで下落しました。
おじさんは娘婿にこれ以上株価が下がる可能性はないから株を買いなさいと言いました。そして見事に回復しました。その回復した株価もリーマンショックで大暴落です。その後野田政権の頃はやはり7000円台になりました。
そして今は16000円台に回復しています。逆に言えば今日本株を日経平均16000円台買ったらその半分以下の日経平均7000円台まで下落する可能性があるのです。そうなれば年金の積立額は大幅に減少するでしょう。それに外国債券の比率を上げれば、もし円高になれば膨大な評価損がでまし。
70円だった円は今は110円を超えているのです。小泉さんの時代だったと思いますが一時円が140円台まで振れたことがありました。そして70円台を経て今110円台です。内外の景気動向などどうなるか分かりません。
引退し年金生活のシニアが自分の全財産の半分を内外の株式の投資するでしょうか。また海外の債券を全財産の15%買うでしょうか。そんなことをすれば、景気変動の波をもろに受けます。いざという時の大事な資金がなくなってしまいます。
再び円が70円台に株価が7000円台のなった時、年金は20%以上カットになるでしょう。過去の例を見れば円高株安が繰り返し来ています。おじさんは今回の年金運用の変更を見て、ますます株式投資から預貯金に資金をスライドするつもりです。
このところの安倍政権の政治運営も経済運営も変です。去年の自信満々の表情は消えなんだか意気消沈しているようです。
まあどうでもよいことですが。明日は日曜日なので教会です。