新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

拉致問題解決の困難さ

今日の株式市況は87円の値上がりでした。しかし、去年のアベノミックスの時の熱気はありません。株高の原因である円安が必ずしも国民にとって利益になるとは限らないことが明らかになったからでしょう。

 今回の追加緩和の恩恵を被るのは輸出産業とドルや株をもっている人だけです。中小企業や年金生活者、生活困窮者には全く無縁のものです。

 いつも株や経済の話ばかりではつまらないので、今日は外交ネタです。今日のニュースを見ると韓国の報道機関が拉致被害者の一人が死亡し、それについて政府が否定したニュースが出ていました。

 韓国が報道した被害者は拉致問題で中心的に活動している人の子供さんだったので、話題性も大きかったようです。また、今回の北朝鮮訪問も不首尾に終わりました。

 これは行く前から当然わかっていたことですが、安倍政権にとって拉致問題は重要な政治課題なので、行かざろう得なかったのです。北朝鮮からすれば、日本側が来なかったたら日本側の不誠実を主張することができますし、来たとしてもいくらでもはぐらかすことができたのです。

 そもそも安倍さんが脚光を浴びたのもこの拉致問題からです。それだけにここで拉致問題を解決すれば歴史に残る業績となると思っても当然です。

 拉致問題とはちょっと異なりますが、戦時の捕虜送還問題も難しいところがあります。ベトナム戦争でも北ベトナムがまだアメリカ人捕虜を隠していると長期間にわたって言われてきました。古代の戦争である白村江の戦でも日本人捕虜の帰還には相当年数がかかったようです。

 今回の拉致問題の場合、落としどころが見えないところに難しさがあります。北朝鮮としては小泉さんの時、数人の拉致被害者を帰国させ、責任を認めたところで終わりにしたかったようです。

 しかし、日本の世論を激昂させただけで逆効果でした。おじさんは、北朝鮮が完全に拉致被害者の情報を握っているかについても最近疑問を持ち出しました。今の政府が知らないうちに闇から闇に葬られたケースもあるし、事実を把握していても、とても日本側に言えないようなケースもあると思います。(すでに処刑されたりなど)

 また日本側が提示している拉致被害者とされる人の中には本当は拉致被害者ではないケースもあると思います。もし北朝鮮が知っている限りの情報を示しても、いやまだあるはずだと日本側から詰め寄られる可能性もあるでしょう。

 つまり、この問題は完全解決の道はほとんどないのです。仮に北朝鮮が崩壊したとしても、北朝鮮の担当者は拉致に関する証拠をすべて破棄するでしょう。ちょうど終戦時に機密書類をすべて焼却したようにです。そうなれば、完全に解決は不可能となります。

 おじさんもどうすればよいのか分かりません。時間が経過すればするほど事実が分からなくなるはずです。事情を知っている人間もこれまでの粛清や高齢などで死んだ者もいると思います。

 日本が拉致関係者の処罰を要求すれば、関与した人間はますます口を閉ざし証拠隠滅をはかるでしょう。結局この問題は時間の経過とともに歴史の中に埋もれてしまうかもしれません。

 もう一つは北朝鮮に影響を持つ中国もアメリカも余り拉致問題に関心がないのです。さらに北朝鮮について一番情報をもっている韓国とも今の状況では情報提供を依頼するのも難しそうです。

 となれば、北朝鮮との交渉をやめ、制裁を継続するしかありません。北朝鮮に何らかの利益をもたらすようなことだけはしてはならないと思います。

 明日は庭の整備をします。