解散についてー戦術的視点と戦略的視点
いよいよ解散風が本格的に吹き始めました。解散風は一度吹き始めると止めるのは難しいでしょう。大義名分があろうとなかろうと吹き始めたら止まらないのです。
もしかしたら、これに危機感を抱いた増税反対派の動きかもしれません。戦術的には今解散するのが一番でしょう。このまま増税して内閣支持率を下げ、統一地方選挙後解散したら、大幅に議席を減らすことは間違いありません。
しかし、戦術的に正しくても戦略的に正しい選択とは限りません。先の大戦でも真珠湾奇襲は戦術的には完璧で文句なしのワンサイドゲームでした。しかし、戦略的に見ればアメリカ国内の世論を対日戦争へと向けてしまいました。
真珠湾奇襲以前までは対日交渉推進派がいても、あの奇襲後対日交渉を進めるなど不可能でした。それ以上に米国の国内世論を統一させたことが最大の戦略的失敗でした。
さて今回もし解散するとしたらどのような大義名分を上げるのでしょうか。これまで大きな勝負に出た時は明確な大義名分がありました。一番有名なのが「郵政選挙」です。これは戦術的には上手な解散でした。しかし、戦略的にはまずかったのです。
結果はご存じの通りです。あの選挙時大勝した自民党がまさかその後政権から滑り落ちるなど予想した人はいなかったでしょう。民主党による政権奪取もそうです。民主党が政権に就いた時まさかその後劇的な敗北をきすと思った人はいないでしょう。
また総選挙となれば三本の矢など吹き飛んでしまいます。もし消費税引き上げを先延ばしするための総選挙であるなら、いつか必ず消費税引き上げをしなければならないのです。
おじさんの経験でもしなければいけないことを先延ばしして良かったことはありません。去年のアベノミックス発表当時の熱気はありません。
自民党支持者も今回の選挙にはそれほど力が入らないでしょう。逆に前回落選した民主党議員は落選した間選挙区で地道に票固めをしているはずです。民主党の議員を破って当選した新人議員は厳しい状況にあると思います。
まあ選挙は水物ですから、投票箱が開くまで分かりません。そもそも解散総選挙があるかさえ不明なのですから。取りあえずは16日の沖縄知事選が注目されます。明日はのんびり過ごします。