新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

アベノミックス評価ー舟に刻みて剣を求める

今日の株価はちょい高でした。明日いよいよ解散とのこと、この解散が株価にどのような影響が出るのでしょう。おじさんとしては、もう少し持ち株の値段が上がれば売りたいと思っています。

 ところで今度の選挙は「アベノミックス解散」ということになるでしょう。国民がどのように評価するかは不明です。もし、アベノミックスに反対なら自民党に投票しないだけです。

 さて、今日の言葉は中国の古典にあるものです。意味は、すでに通り過ぎた過去にこだわってとんでもないことをすることです。

 アベノミックスは、まさにこのことわざがぴったり当てはまります。アベノミックスではまず異次元の金融緩和をして、お金をジャブジャブ市中に放出し、企業がお金を借りやすくし、同時に円安にして輸出を増やすといものです。

 ところが、この二つとも失敗しました。かっては金利が下がれば企業はお金を借りて設備投資しました。リフレ派の人はお金がジャブジャブ市中に出回れば需要が増えると考えました。その前提は間違っていたようです。

 デフレになったのは、お金が市中に出回らなあいのでなく需要の減少だと思います。需要の減少の原因は少子高齢化非正規社員の増加でしょう。どちらも、どうにもならないものです。

 また円安によって輸出を増やすというのも、過去のことです。今は工場が海外に進出し国内からは減少しました。いくら円安になっても工場が日本に戻ってくることはないでしょう。需要の多い新興国の近くに工場を作るのは常識です。

 まさに地産地消です。おまけに円安で輸入品の値段が上がりました。物価上昇をアベノミックスは狙っていましたが、給与が上がらないのに物価だけが上がれば、生活は苦しくなります。

 アベノミックスで株価や東京の不動産価格は上昇しましたが、地方に住んで株式も外貨ももっていなければ、生活が苦しくなるのは当然です。

 地方の市町村長の会議でも口々にアベノミックスのもたらすひずみを述べていました。すでに舟は通り過ぎてしまったのに、舟に刻んだしるしだけを見て水に飛び込んだ男とアベノミックスはそっくりです。

 すでに過ぎた個々の日本経済の幻影を追って結局すべてを失うことになりそうです。安倍さんは過去の幻影にとらわれて、水に潜ったのにそこには何もなかったのです。

 日銀総裁国債金利上昇の悪夢に初めて触れました。彼はほんのわずかの可能性と言っていますが、可能性を認めたこと自身大変なことです。

 アベノミックスバブルの向こうには、断崖が待っているように思われます。明日はのんびり過ごします。