新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

無理が通れば道理が引っ込むー国債の格下げと株価

昨日国債の格下げが報道されました。株価の方も始まりは大きく下げましたが、結局値上がりで引けました。普通国債が格下げされるというのはその国の信用が落ちることなのですから、株式相場も売りになるはずなのです。

 ところが、あるブログにも書いていましたが、年金が株式下落を防止するための買いを入れるという安心感があって買われているのでしょう。また総選挙が終わるまで株価を政府は下げられないと投資家は考えているのでしょう。

 安倍政権は株価政権ともいわれるのに、選挙期間中に株価が暴落すれば、アベノミックスは失敗だったと世間に証明するようなものだからです。

 国債も日銀が買っているので格下げされても平気なのでしょう。お金はどんどん日銀が輪転機を回して作るのですから何の心配もないのでしょう。また国債保有しているのは国内の銀行や投資家なのですから、売り手はいないことになります。

 仮に国内の銀行が国債を売りに出してもどんどん日銀が買い入れるでしょう。その安心感から国債の売りもなく株式相場も値上がりしているのだと思います。おじさんの持ち株のうち船会社と電機産業の一つが年初来高値を更新しました。

 船会社の方は原油安が理由だと思います。ここまで原油の値段が下がると相当利益がでるのでしょう。電機株の方は円安の影響だと思います。

 ただ過去の例を見ると今の相場は危険な水準に入りつつあると思います。データーや経済指標をいくら見ても大きな変化に気づくはずはありません。プロのアナリストが今危ない水準だから気をつけた方がいいですよと投資家に声をかけたりすれば、会社をクビになるでしょう。

 ところで去年の上げ相場で活躍した証券会社の株は今回の値上がりでは余り上がっていません。おじさんは長い投資経験があります。1970年代初めから投資をしていました。

 その経験でいえば理屈に合わない相場は危険だということです。なぜ上がるのか分からないけれど上がっていくときは危険です。その最たるものがバブルでした。どう考えても道理から外れているのに、さまざまな理屈をつけて囃しました。

 NTT株がその象徴でした。おじさんも1株買いましたが早々に売りました。NTT株で利益を出した人はほとんどいません。おじさんは数十万円の利益を出しました。数年前もある方から家にまだ1株あるがと言われたことがあります。およそ株式投資と縁のない職人さんです。

 NTT株も政府が発行する株だから下がるはずがないと買われたのです。そんな道理に外れたことはないと思って売りました。事実はおじさんの考えた通りでした。リーマンショックもやはり道理からはずれていたのでその前に危ないと思いました。

 土地神話の崩壊が国債神話の崩壊を予想させます。土地神話も狭い国土に大勢の国民が住んでいるのだから土地が値下がりするはずがないというのが土地神話です。神話には人を信じさせるそれなりの根拠が備わっているのです。

 国債神話も日銀が買っているからとか国内の投資家しか買っていないからと言うのが神話の根拠です。神話は現実によってその正体が明らかにされます。正体が明らかになった時すべてが幻のように消えていくのです。

 国債神話が崩壊すれば円安から猛烈な円高へ向かうでしょう。円安が株高を引き起こしのならその逆の現象が起こるはずです。

 バブルが失われた20年を生み出したのなら、国債バブルの崩壊は次の失われた20年を生み出すでしょう。海外の格付け機関にはアベノミックスが信じられない愚行に思えるでしょう。だからこそ道理に従って格付けをさげたのです。

 しかし、政府日銀は無理にでも国債の価格を維持しようとしているのです。童話に出てくるカエルのように無理におなかを膨らませて大きくしようとしています。童話のカエルは他を圧しておなかを大きくしたのですが、おなかが爆発して死んでしまいました。

 明治初年からほぼ80年ですべてを失いました。これは戦争のせいです、今回はどうも国債バブルが引き起こす財政破たんと経済破たんですべてを失いそうです。

 おじさんはせいぜい外貨を保有して国家破たんに備えます。明日も忙しいです。