日本経済の底流に暗雲ーGDP改定値の波紋
今日GDP改定値が発表になりました。前回の速報値を上回るという民間アナリストの予想でしたが、思いがけず前回発表の速報値を下回りました。アナリストの判断はこのところはずれっぱなしです。)
伸びが予想された民間の設備投資が前回速報値より下がっています。それ以上に大きく下回ったのは公共投資です。いずれもアベノミックスをけん引してきたものです。
公共投資の減少が一番大きかったようです。原因は資材や人件費の高騰でしょう。いくら予算をつけても追いつかないほど資材や人件費が値上がりしたようです。円安も加わって資材の値上がりは止まらないでしょうし、建設業に従事する人の数が急増するとも思えないので引き続き公共投資は低迷すると思います。
公共投資の減少は予想されたことですが、設備投資の減少は意外でした。安倍政権は景気は順調に回復していると主張してきたのです。そうであれば在庫も減少したのですから、新規に設備投資が行われるはずです。
また円安で輸出が増大したなら当然設備投資も増えるはずです。設備投資が減少したのは、企業が需要が増大すると見てないからです。円安が一部輸出企業に恩恵を及ぼしても大部分の国民に恩恵を与えないと企業は見ているのです。
輸出も増大せず内需もそれほど増大しないとしたら設備投資を抑えるのは経済的合理性にかなっています。消費税引き上げを延期しても将来引き上げることは確かなのですから消費が拡大するとも思えません。
これらの兆候は日本経済の底流で暗雲が立ち込めていることを示しています。株式相場は今イケイケムードですから、少々悪いサインがでても無視します。
過去もそうでした。これから良くなるという情報ばかりが流れています。安倍政権も内々ではちょとまずいと思っているのでしょうが、それを言ったらおしまいよですから黙っています。
アベノミックスが2年経過した結果が11月発表より12月発表の方が悪くなっているのです。株式相場はまだ反応していません。しかし、危険な水準に入りつつはるのは確かです。
そろそろ相場の下落を警告する人もでてきました。もしそれが大勢になれば一気に売りということになるでしょう。今日はおじさんの持ち株は全て下がっていました。
これらの兆候を一段高の踊場と見るかピークアウトの前触れと見るか難しいとことです。総選挙終了後材料出尽くしということで一気に相場が調整局面に入る可能性もあります。
選挙前に株式相場が崩れることはないでしょう。しかし、総選挙終了後自民党が圧勝すれば株式相場を支える必要もないので、一気に崩れると考えることもできます。
円相場・株式相場とも難しい局面です。欲をかいて持続するか、とりあえず利確するか難しい判断を迫られています。