新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日本版先富論ー広がる格差

今日は円安・株高ともに一服でした.。以前あるサイトで先に豊かになる企業の邪魔をするなと書かれていました。先に豊かになるのは輸出産業でしょう。

 輸出産業が豊かになるのは円安のおかげです。円安は多分に政策的なものがあります。ある大臣が今豊かになれないのは余程運が悪いか経営者が悪いみたいなことを言ったようです。

 さて企業にも先冨論があります。つまり先に豊かになった企業の恩恵が他の産業にも及ぶというものです。しかし、先に豊かになった企業が例えば従業員の給与を大幅値上げしたり、従業員の数をどんどん増やしたり、下請け企業を優遇したりすることはないでしょう。

 今豊かな企業であってもいつ情勢が変化するか分からないからです。今好調の輸出産業もかって円高の時代苦しみました。今景気が好調なアメリカが円安を認めているからです。

 これもいつ流が変わるか分かりません。アメリカが日本の円安を認めないと発言すればあっと言う間に円高に変わるでしょう。流れが変わったのに一旦給与を上げれば下げるのは難しいです。また人員整理も反発があります。下請けに値下げをお願いするのも大変です。

 ですから、今景気好調の輸出企業もボーナスくらいは増やしても本格的な賃金引き上げや正社員の数を大幅に増やすことはないでしょう。

 今個人で急速に豊かになっているのは、お金持ちです。お金持ちの大部分は東京に住んでいます。東京の不動産価格が上昇しています。またお金持ちは外貨や株をもっています。

 東京に住んでいなくても株や外貨をもっていた人は豊かになっています。70円台だった円が120円台にいなったのです。1万ドルで50万円の差益です。お金持ちが1万ドルということはないでしょう。

 10万ドルで700万円です。これが1200万円になったのですから、利益は500万円です。株価も同様です。7000円台だった株価が18000円台近くになりましが。

 単純に考えてえ1株7000円が18000円になったとすれば、その差は1100円です。1万株とすれば1100万円です。

 ちょっとしたお金持ちがこの2年で1800万円近い利益がでたことになります。高価なものがどんどん売れるはずです。一方農家は米価が値下がりして困っています。

 非正規労働者や介護職員は低賃金に苦しんでいます。時給1000円でも1日8時間で8000円です。20日働いても16万円にしかなりません。今回のアベノミックスがもたらした円安株高は格差をどんどん広げました。外貨や株をもっている者の大半は豊かな人です。

 生活が苦しいのに外貨や株をもっている人は少ないと思います。シニアにおいても以前から株や外貨投資をしている人と年金だけで暮らしている人との差が開いてきているでしょう。

 今回の総選挙では自民党が圧勝のようです。当然アベノミックスは継続となり、さらなる円安株高を目指すでしょう。円安は輸入品の値上がりを招きます。外貨や株でもうけた人や財産にある人には物価高はそれほど影響はないでしょうが、大多数の国民には大きな重荷になります。

 なぜそれがわかっているのに国民安倍政権を支持するのでしょうか。もしかしたら先に豊かになった方から何か利益が滴り落ちると考えているのでしょうか。絶対そんなことはありません。

 聖書にもある通り豊かなものは益々豊かに、貧しいものは益々貧しくなるだけなのです。これからさらに格差は開いていくでしょう。とくにお金を儲ける手立ての少ないシニアはさらに格差が広がるでしょう。

 明日の外国為替相場と株式相場が気になります。