「明治維新と幕臣」-「ノンキャリア」の底力(中公新書)を読む。
今日は日曜日なので本来は教会ネタなのです。ところが今日はツマクマが体調不良で教会に行けなかったので、おじさんも一緒に教会を休みました。
それで今日読み終わった本について書きます。内容は明治維新の時明治新政府は意外にも旧幕臣を重用したという話です。勝海舟や榎本武揚のように政府の中心的な存在になった人もいますが実務官僚今でいえばノンキャリアとして働いた人も多かったようです。
そしてどの時代でも社会がうまく働くためには実務官僚の働きが必要だということです。平安時代有名な在原業平は歌人として有名ですが、同時に朝廷には馬寮の長官でした。右馬頭(うまのかみ)と呼ばれました。当時官庁は左右に分かれていたのです。
馬寮では宮中で使う馬の管理に当たっていたようです。今でいえば国会や政府の車両課と言ったところでしょうか。在原業平も昼間は職務に専念していたと思います。どこの役所もそうですが、トップの決済が必要なことが多いので(馬の購入や飼料の購入管理など)在原業平も事務決済をしていたと思います。
これは完全に失敗しました。どこの国でも実務官僚が社会を支えているのです。実務官僚レベルまで追放したため国内は動乱状態になったのです。
明治維新の時全国統治の経験も人材もない明治新政府が幕府官僚(幕臣)をすべて追放したら、社会は大混乱になったでしょう。この本によれば、外交・財務・貿易等全国レベルについては、そのまま幕臣が担当したようです。