新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

総選挙の総括ー真理は細部に宿る

選挙から3日たった今頃になって選挙を総括するのも妙な話ですが、このところ選挙どころでない世界経済の動きがあったので、今頃になって総選挙の結果を総括しています。

 と言っても今日もロシアのルーブルが対ドルで下落したニュースが流れています。アメリカの株式相場も下落傾向です。明日も相場(株式及び外貨)に目が離せませんが取りあえず今日は政治ネタです。

 総選挙も結局終わってみれば以前と変わり映えしない政治状況です。予想では自民党がさらに議席を伸ばすとされたのですが、そうはなりませんでした。これ以上の自民党の伸長は国民が望まなかったのでしょう。

 安倍さんもマスコミもそれは分かっているようで、自民党勝利と言ってもよい状況ですが、選挙後何の政治的熱気も興奮もありません。政界も経済界も原油安の影響に注目しています。

 タイトルにも真理は細部に宿ると書きましたが、それは総選挙にも当てはまります。ところで一番敗北したのはどの党でしょう。そうです、次世代の党です。ここは自民党以上に保守的なグループです。この党が壊滅状態になりました。

 その象徴が東京の選挙区にでた元自衛隊の高官です。公明党を潰すと標榜したのですが、つぶされたのはご自分でした。選挙区では最下位でした。都知事選の時は数十万票もとったのですが、すでに時代は変わっていたのです。

 国民は今以上の国政の保守化を望んでいないことの象徴です。次世代の党を象徴する石原元議員も引退します。次世代の党はネット右翼と呼ばれる層を支持基盤としたようですが、結局ネットの世界と現実の世界のギャップを見極められなかったようです。

 次は沖縄の選挙結果です。ここの選挙区では自民党推薦の候補が全員小選挙区で落選しました。もちろん比例区で復活したので、候補者全員が当選という奇妙な現象が起こりました。

 他の選挙区でも候補者全員が当選というところがあったようです。沖縄では小選挙区共産党の候補が当選しました。反基地が沖縄全体を覆っている証拠です。

 中央に対する地方の反乱ともいえるでしょう。今回の総選挙で勝利したのは共産党です。ほぼ議席を3倍にしました。反自民の票を共産党がさらったともいえるでしょう。もし共産党が立候補しなければ、民主党や他の野党が当選した可能性の選挙区が結構ありました。

 最後に投票率です。有権者の52%しか投票しませんでした。これは民主党の準備不足もあります。まさかこの時期に総選挙があると思っていなかったのでしょう。解散は内閣の専権事項なので、油断大敵というところです。

 これでは選挙に勝てません。自民党共産党だけの選挙区では投票に行く気が失せるでしょう。またアベノミックスの恩恵はないが、さりとて今政治を変える必要もないと思った人は選挙に行かなかったでしょう。

 となると基礎票あるいは組織票の多い自公と共産党議席を占めるということになります。今回の総選挙後まず民主党の党首選挙があります。海江田さんでは党の顔になりにくいです。やはり党首はある程度のカリスマ性が必要です。

 次に民主党の党首となる人は少なくとも今回の選挙を勝ち抜いたのですから、ある程度のカリスマ性はあるでしょう。小泉郵政選挙後まさかの政権交代があったのです。

 アベノミックスが失敗すれば未曾有の大恐慌になるでしょう。膨大な日銀引き受けの国債処理、実態経済からかい離した株価、強引な円安などその巻き戻しは日本経済を破綻させるほどの力があります。

 今の世界経済の波乱の中とても憲法改正など国内的なことにかかわる暇はありません。国民も生活難に苦しんでいます。ここで方針を誤るなら自公で議席の三分の二をもっていてもどうなるか分かりません。

 来年の景気状況が次の参院選の行方を決めることになるでしょう。明日の相場(株式・外貨)が注目されます。