新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

ロシア金融危機の波紋ー日本の立ち位置

今日は日経平均390円の大幅高でした。このところ大きく下げた反動だとも言えます。原油価格も取りあえず下げ止まったようです。

 原油安の影響をもろに受けたのはロシアです。もちろん産油国の大部分は収入源に陥っています。その中でロシアはEUアメリカの金融制裁もあります。

 ルーブルの対ドルでの下落も大きくロシア政府は金利を大幅に上げて資金の流失を抑えようとしています。ところで、このロシアの金融危機は政治にどんな影響を与えるのでしょうか。

 まずプーチン大統領の性格から考えてルーブルの対ドル相場が下落したとしてもウクライナ情勢で妥協するとも思えません。ロシア国民も結構危機に強いのでプーチン大統領の国内支持率が急落するとも思えません。

 強気こそがプーチン大統領の強みだからです。あるサイトでは今のロシアの金融危機北方領土問題解決のチャンスだと書いてありました。これはあり得ないと思います。ロシアがこのくらいの金融危機で日本に助けを求めるとも思えません。

 以前の金融危機の時と違って今のロシアは多くの外貨をもっています。天然ガス原油で稼いだものです。少々外貨が減ってもロシアは耐えられるでしょう。

 ロシアにはまだまだ外交カードがあります。中国も北朝鮮もロシアとの連携を探っています。ロシアはアメリカやEUから追い詰められればこちらに血路を見出すでしょう。

 中国も今は経済後退でそれほど原油を求めていないはずです。ですから、ロシアの窮状に付け込んで安く原油天然ガスを手に入れようと考えるでしょう。基本的には中露関係はそれほど良好なものではありません。中国にいたころ見たテレビドラマでもロシアは上から目線の国として描かれていました。(ちなみに一番友好的に描かれていいたのはアメリカです。)

 ロシアは今とにかく耐え忍ぶだけです。原油安はいつか終わると見ています。ロシアの強みは我慢強いことです。日本の立ち位置は難しいです。ここでロシアに手を差し伸べればロシアは喜ぶでしょう。

 しかし、それに乗ると国益を損ないます。ロシアは日本の助けを良いことに、アメリカやEUとの取引に使うでしょう。EUアメリカの経済制裁を崩す突破口とするはずです。安倍さんはロシアを対中・対米の切り札として使いたいようです。

 ロシアはそんな甘い国ではありません。先の大戦後のロシア(旧ソ連)の動きを見れば分かります。保守派の人は以前ロシア(旧ソ連)の非道を言い立てたものですが、今はすっかり影をひそめ、嫌韓嫌中ばかりです。

 中国には日本を攻撃する力はありませんが、ロシアにはあります。以前はロシア(旧ソ連)に対抗するために自衛隊を北海道に展開しました。今は目が西に向いています。気持ちの上では北方はがら空き状態です。

 日本人は一方向に傾きすぎるきらいがあります。冷戦時代は対ロ一点ばりで、今度は中国一点ばりです。ロシアはフランスから艦船を購入するつもりのようです。それは極東に配置されるとの話もあります。

 中国への警戒も必要ですが、ロシアへの警戒を怠ってはいけないと思います。ロシアの金融危機はそれほど続かないと思いますが、ここで日本が救いの手を差し伸べるのが国益になるという考えには賛成できません。

 明日も年末の掃除をします。