最近の経済統計から思う。
今日は最近発表された経済統計から書きます。企業の生産活動を示す11月鉱工業生産指数が前月より0,6%低下したことからまず書きます。消費税引き上げ後の生産活動はやはり低迷しているようです。
国内の自動車販売数や住宅着工についても厳しい数字が出ています。円安株高の恩恵は特定の富裕層だけにしか及んでいないようです。円安は輸出企業に株高は株式を保有している人にだけしか影響はありません。
今回の鉱工業生産指数の低下はまだまだ景気が日本全体に及んでいないことを示しているのでしょう。もちろん、さまざまな理由が言われていますが、数字だけを見るとそうなります。
このところ好調だった失業率も横ばいです。非正規雇用の労働者が2000万人になったそうです。これに高齢で働けない年金受給者を含めれば、経済的に厳しい人の数は4000万人近くになるでしょう。
おじさんの義弟も65歳で第二就職が終わりました。次の就職先を見つけるのは難しいと話していました。
1月の現金給与も減少しています。
さらに家計貯蓄率も去年くらいからマイナス1,3%になったそうです。これについても貯蓄から株式投資にお金が回ったという意見もあります。
もちろんその部分もあるでしょうが、先に書いたようにそれまで雇用延長や第二就職をしていたシニアが次々に年金生活に入ります。
大企業サラリーマンでも大学卒業後38年勤務しても年金が月に20万円になる人は少ないです。まして、転職をしたり、リストラにあったり、中小企業勤務だと月15万円くらいしか年金がありません。それに配偶者の年金が8万円くらいだとぎりぎりの生活になります。
まして単身者の場合だとさらに厳しいです。まもなく家計の貯蓄を取り崩す人がどんどん増えてきます。今銀行は豊富な預貯金で国債を買っています。もちろん今は日銀が買っていますが、将来日銀が国債買い入れを終了した時買いてとしての銀行が買い入れが難しくなるかもしれません。
アベノミックスが失敗かどうかは来年になれば明らかになると思います。株価は日銀や年金が買い支える官制相場なので下がる可能性は少ないです。円安もアメリカの金利が引き上げられれば継続するでしょうが、景気回復はどうでしょうか。
来年特に年後半のアメリカ経済の動きが注目されます。