世襲化する社会
先日読んだブログサイト(ブロゴス)で21世紀に入って社会の世襲化が進んだと書いてありました。最近こそ話題性が減りましたが格差社会が問題になっています。
格差があってもそれが何らかの形で解消されるならよいのですが、今問題になっているのは格差の固定化です。別の言葉でいえば社会が世襲化しているということです。
国会議員以外に多いのが芸能界です。芸能界の場合、まずテレビなどに出してもらうのが難しいです。そこそこの才能のあるタレントさんは大勢います。そこそこの能力の他に何か話題性が必要です。
担当者が上司に出演者の許可をもらう時、なぜその人なのかを説明しなければなりません。企画会議などで必ず問題になります。その際○○さんの子供さんですというのは大きな説得力になります。能力がそれほど変わらないなら、そちらの方を選んだ方が話題性があります。
ある方から企業でも同じことがあると聞いたことがあります。例えば損保の場合、別の企業のオーナーさんの子供さんとか地域の有力者の子供さんの場合、能力にそれほど差がなかったり、一般職のような場合、優先的に採用されるようです。契約を取るのに有利だからです。
マスコミでも有力な議員の子供さんの場合有利になると聞いたことがあります。有力議員の子供さんだと政界の取材に有利だからだそうです。
これを見ると企業規模と大学の偏差値が比例しているようです。高級官僚の場合も高偏差値の大学出身者がほとんどでしょう。自営業を除けば日本の高所得者は大企業サラリーマンか高級官僚でしょう。
大企業や中央省庁に入るためには相当な学力が必要です。学力と階層は密接な関係にあります。その上に学力以外に左右する要素があるのです。民間企業の場合誰を採用するかはそれぞれの企業にまかせられています。
ですから、自分の会社に一番有利な人を採用するということになるでしょう。豊かに育った人は益々有利に、そうでない人は益々不利になるのが現代社会のようです。
格差は経済のウェイトが一番高いですが、それに関連して文化的格差や教育格差があります。たとえば、家に本が沢山あって社会の話を子供の頃から聞いている人と、仕事に追われ生活も苦しく本を読む習慣も進学に関する情報も与えられない子供では大人になって差がつくでしょう。
敗戦後70年大きな社会変動もない中で社会階層が固定化してきました。社会階層を上昇する気持ち(階層上昇志向)もなくなり、マイルドヤンキーなどと言った言葉もでてきました。
江戸時代末期が丁度こんな時代だったと思います。解決策は思いつきませんが、世襲化した社会がぜい弱になるのは歴史を教えるところです。明日は日曜日なので教会です。