スイスショックと相場(外貨・株式)
このところ、毎日相場(株式・外貨)が乱高下しています。いつも書くようにアナリストの今年の相場予想は今のところ全くはずれています。
相場予想は予想した時点での判断なのです。ですから、以前書いた古代中国の格言「船に刻みて剣を探す」(ある男が船で川を渡っているとき剣を川に落とした。男はすぐ剣が落ちた船べりに刻みを入れた。そして船がついてから船の傷の位置から川に入ったが剣はなかった。)
つまり物事は進んでいるのに以前の時点で物事判断すると間違えるという教えなのです。ところで今日の相場を激震させたのはスイスフランの動きです。
ある限度を超えてスイスフラン買いがあった時、それに為替介入していたのです。それを無制限にやっていました。しかし、物事には限度があります。とうとうスイスの金融当局は為替介入でスイスフランを固定化することをあきらめたのです。
ただこんな大きな金融政策の変更があったので世界中の相場が反応したのです。アメリカの株式相場も大きく下げました。
今日の株式相場も一時510円まで下げその後買戻しもあって244円安で引けました。また対ドル相場も115円まで円高が進んだ後116円にもどしています。
このところの日米の株安、また景気指標の悪化などを見るとアメリカの金利引き上げも先行き不透明感がさらに強まりました。案外年内金利引き上げはないかもしれません。そうなるとアメリカの金利引き上げを見越してのドル高円安も流が変わるかもしれません。
日銀もこのところ思ったほど景気回復感が弱まったと思っているようです。想像以上にヨーロッパの景気状況がよくないようです。去年の見通しの前提がどんどん変わっています。
ところで無制限の買い支えで思い出しましたが、日銀も物価が2%上昇するまで国債を無期限で買い続けるといっていました。スイスも結局無理なことをして逆に大変な反動がありました。
スイスの例で分かるように、異次元の金利政策はいつか破たんし、異次元なだけにその反動も図りしれないものになります。スイスは銀行で有名な金融立国です。そのスイスでさえ金融政策で失敗したのです。
ものつくり立国の日本が金融政策で失敗する可能性は極めて高いと思います。スイスの例を見て投資に少し慎重になろうと思いました。