イスラム国と空爆
今日は珍しく軍事ネタです。おじさんは、軍事問題にも関心があります。今話題のイスラム国と空爆についです。イスラム国と人質問題については、今の時点ではコメントできません。
有志連合による空爆ではそれほど効果がないという意見もあります。考えてみれば、闇雲に爆弾を落とすわけではありません。特定の目標を定めて爆弾を投下するはずです。
また偵察や斥候などの報告からイスラム国側がどこに集結しているかも分かります。そこを爆撃側に連絡して爆撃してもらえることもできるのです。
イスラム国の宣伝ビデオなどを見ると単なるゲリラというより、戦車や自動車なども使っているようです。そんな場合、爆撃の効果は大きいです。またかってのベトナム戦争のようにジャングルに隠れるわけにもいきません。
ではイスラム国が今後勢力を拡大するかと言えばそれは難しいでしょう。爆撃の効果は兵士が密集している際に効果があります。勢力を大きく拡大するためには、兵力を集中しなければなりません。
また兵員や資材・重火器の移動のため自動車や戦車などを集める必要もあります。重火器などを使用したり移動する際も爆撃の標的になりやすいです。ゲリラ的な戦術では勢力拡大も制限されます。今は各種レーダーで発射位置を確認することができます。
ゲリラ程度ならそれほどお金もかかりませんが、国家レベルで大きな都市を占拠すると特にそうです。財政的な支えがなければ、都市機能を維持できませんし、そうなると住民の不満が高まります。
イスラム国にとっての強みは有志連合が陸上兵力を行使できないことです。今有志連合が利用できるのは、イラク軍とクルド族民兵です。イラク軍は弱すぎるしクルド族民兵を強化しすぎると、近隣諸国からの警戒が強まります。
トルコなどはクルド族が広範囲での独立を目指してクルド国家ができることを警戒しています。以前書いたようにトルコ陸軍がイスラム国壊滅の主力となりアメリカを中心とする有志連合が爆撃や後方支援を行えばイスラム国壊滅は可能でしょう。
この地域では特定の勢力だけが強くなりすぎることを警戒します。アサド政権への攻撃を西欧諸国は願っていますが、今アサド政権が倒れればさらにこの地域の混乱が深まるばかりでしょう。
まだまだ中東情勢は不透明、流動化したまま今年も推移しそうです。