新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

道州制で転出超過は止まるのか。

今日の朝刊で人口の転出と転入について報じられていました。見出しは「東京圏流入10万人を超す」です。あるサイトを見ていたら道州制を導入すれば人口の転出超過を食い止められるとありました。

 しかし、今日の記事を見るとそうはならないと思います。道州制ですから、道というのは北海道でしょう。実は北海道が一番転出者数が多いのです。

 東北と北海道を一緒にするのは歴史や地理的関係から無理でしょう。となると北海道は道州制が導入されたとしても転出超過はなくならないでしょう。

 北海道の転出超過は産業構造の変化が原因です。北海道ではかって炭鉱や牧畜、造船や鉄鋼、パルプといった産業が盛んでしたがすべて衰退しました。

 東北州はどうでしょう。東北でも転入超過の県があります。宮城県です。宮城県と言えば仙台が東北の中心都市です。今はそれでも各県の県庁所在地が取りあえずある程度の人口を抱えています。

 しかし、東北州となったらさらに宮城県というより仙台への転入超過が進むでしょう。名古屋圏や大阪圏でも転出超過が進んでいます。

 かっては大阪や名古屋に本社を置く企業も多かったのですが、東京圏への本社移転が進み大阪や名古屋の支店化が進んでいます。また、なまじ東京に近いだけに、大学進学でも就職でも東京へと進む人が増えているのでしょう。

 名古屋はトヨタの本拠地なので転入超過かと思ったのですが、東京への近さが災いしているようです。名古屋より東京に近い静岡の転出が北海道に次いで多いのが前述した内容を証明していると思います。

 兵庫の場合の転出超過は兵庫県の場合阪神間以外は農業地域が多いので転出それも県外への転出があると思います。

 中国州や四国州を作ったとしても、すべての県で転出超過なので、道州制を導入しても転出が食い止められるとは思えません。中国の場合、広島への集中も考えられますが、広島自身もそれほど進学先の大学もありませんから、近くて阪神間、どうせ地元を出るなら東京となる可能性もあります。

 九州の場合今でも福岡県だけが転入超過なのですから、さらに道州制にしてもこの傾向が続くでしょう。福岡に近い佐賀や熊本も今以上に転出が進むはずです。

 翻ってなぜ東京圏に一点集中するのか、それは東京には就職に有利な大学があり、大企業を目指すなら東京に行くのが一番だからです。

 もし北海道から東京へ就職活動のために行くとなると交通費や宿泊費だけでも大変です。それに企業情報でも東京の方がはるかに沢山あります。たとえ東京での住居費が高いとしても就職に有利であるなら、東京に進学した方が有利です。

 おじさんも時々東京へ行きますが、文化施設や商業施設、大学の集積を考えると東京へと若者が転出していくのもわかる気がします。以前は地元企業も元気だったのですが、今では衰退しています。地元とにあった大手企業の工場も撤退しました。

 これでは東京一点集中を止めようとしても無理でしょう。

 ところで今日の株式相場は140円ちょいの値上がりでした。このところボックス相場が続いています。17500円~17800円くらいを行き来しています。

 まあ大きな材料がないと相場は膠着状態になるのでしょう。対ドル相場は117円近辺でやはり動きが止まっています。去年の11月頃には130円はおろか150円まで行くという話でしたが、今は120円すら突破できない状況です。

 今年はまだ10ケ月も残っているので、何とも言えませんが。円安が120円以上に進まないと株式相場も18000円台には行かないでしょう。と言いながらも今週も終わってしまいましたが。