新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国爆買いについて―円安の皮肉

今日も日経平均は100円以上の値上がりで、年初来高値を越えて行きました。このところ、株高は対ドル相場に反映していませんでしたが、今日は少し反映したようです。

 今日はアメリカの金融当局の総裁の議会証言があるようで、それを待っているようです。おじさんの持ち株では、鉄鋼株だけが年初来高値を越えて行きました。これは昨日書いたナンピンで、リーマンショック前に買った株が大幅値下がりしているので、その後買ったものです。

 こちらは、何とかもう少しで利益がでているので、まずこの株から売ろうと思っています。ところで、今年の春節は来日する観光客の爆買いが話題になっています。

 2・8(にっぱち)と言って2月8月は流通業界にとって客の少ない月で、その時期に爆買いしてくれる、中国人観光客はデパートなどにとって大歓迎なのでしょう。去年は中国と日本の関係が冷え切っていたので、中国人観光客は少なかったようです。

 よく中国の反日教育が話題になりますが、人間が教育だけで変わったら大変です。中国の大学でも毛沢東思想の授業がありますが、もっとも人気のない授業です。これも以前書きましたが、おじさんが中国の大学にいた時、中国の軍事教育のテキストが軍事教育終了後教室に山のように捨ててあるのを見ました。

 ですから、時間がたてば、たとえ日中関係が冷え切っていても、中国人観光客がどんどん日本に来るのです。以前との違いは恐ろしいほどの円安です。中国元はドルにリンクしていますので、今回の円安は中国人観光客の購買意欲を刺激したと思います。

 おじさんが中国に行った頃は1元12円ちょいでした。1万元で当時約12万円でした。それが今20万円近い額です。ですから、中国人にとって日本の物価が相当安く感じられるのです。

 それに中国では電化製品や生活用品が品質の割に結構高いのです。中国のユニクロなどは、日本より値段が高いほどです。マックのハンバーガーが30元くらいでした。今だと600円ということになります。日本でも550円くらいですから、いかに円安の効果が大きかったかということです。

 考えてみれば、安い中国製品を日本人が買い、高い日本製品を中国人が買うというのは何という皮肉なのでしょう。また、一人当たりの所得で中国よりはるかに高い日本人が安い中国製品を買い、所得の低い中国人が高い日本製品を買うのです。

 おじさんが中国にいたころちょっとしたグラスなども12元しました。今だと200円以上です。日本だと100金で買えるようなものですが。中国というと貧しいイメージしかありませんが、庶民でも結構お金をもっています。

 ですから、ビザさえ簡単に出してもらえるなら、買い物のに来るはずです。電化製品や生活用品の質は中国製品とは比べ物になりません。

 面白いと言うか皮肉なのは、今あちこちで中国経済崩壊論が主張されています。逆に安倍さんなどは、日本経済が復活したと主張しています。

 経済が回復している国に経済が崩壊するかもしれない国の人が買い物に来るのです。本当に自分の国の経済が崩壊するなら、今お金を貯めておかねばなりません。春節という長期休暇に外国に行って買い物する余裕などないはずです。

 それも爆買いなどしている余裕はないはずです。まさか日本を油断させるために観光客を中国政府が送り出しているわけではないでしょう。評論家によっては中国人観光客を相手にするなと言う人もいます。確かに中国人観光客はお金をもっているがマナーが悪そうです。

 自国にいるときでもマナーが悪いのですから、旅の恥はかきすてということで、さらに悪くなっているのかもしれません。その昔、赤ゲットとか農協さんと言われて、日本人観光客の恥ずかしい実態が話題になったものです。

 高級ホテルの廊下をステテコ一つで歩き回ったり、高級ホテルのフロントに女性を所望したりしたそうです。またバブルの頃、日本人がフランスなどに行って、高級ブランドを買いあさったこともあったようです。

 日本のデパートにとっては、鄧小平ではありませんが、黒い猫(中国人観光客)でも白い猫(日本人)でもネズミを捕る猫(買い物をしてくれる人)が良い猫ということになります。

 うちのデパートはあんな品のない連中(中国人観光客)は相手にしないなど言っていたら、みすみす数十億円の利益を見逃すことになります。もちろん、資本主義国家日本ではあり得ないことです。もし、そんなことを主張する店長がいたら、社長から即刻解任されるでしょう。

 保守派の人は嫌中を主張し、デパートを含む観光業界は中国大歓迎です。(そういう垂れ幕があるはずです。)円安が思いがけない日中友好を作り出したようです。電化製品や生活用品の爆買いならよいのですが、企業や不動産などが、中国にどんどん買占められていくとすると、等閑視できないでしょう。

 明日の株式相場も気になります。