新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

金利が全てを決める。ー官制相場の宿命

今日はさすがに株式相場も下げました。日経平均も一時は値上がりしたのですが、結局10円ちょいの安値引けだったようです。

 今の相場にはぐんぐん上昇する力はありません。投資家は皆どこかで調整があると思って、恐る恐るやっていると思います。昨日のアメリカの金融当局責任者の議会発言は当面金利引き上げはないというものでした。

 もちろんはっきり言ったわけではありません。サイトなどを見ると、サプライズの引き上げはしないと発言したようです。徐々に市場と対話しながら、引き上げ時期を探るというものだったようです。

 ただアメリカの市場は金利引き上げが6月より先に延びたと理解したようです。それで119円台だった対ドル相場も118円台に戻りました。

 円安株高の傾向はこのところ止まったようです。対ドル相場にしてもアメリカの株式相場にしても、アメリカの金利動向にナーバスになっています。

 翻って日本の場合はどうでしょう。このところ国債相場が不安定です。年金も国債を売って株を買うと宣言しています。今の最大の国債の買い手は日銀です。

 日銀ががぶがぶ国債を飲み込んでいますから、低金利が続いているのです。この傾向も変化があります。先日あるサイトを見ていたら、メガバンクや生保・損保などが国債を売り始めているとありました。

 国債を売って外国債券を買っているとのことです。国内では個人がとても国債を買えないほどの低金利になっています。今国債を大量に保有しているのは地銀だそうです。

 地銀の場合、海外との取引経験がないので海外の債券を買ったりできないでしょう。あるサイトによれば、メガバンクや生保・損保はすでに国債保有を減らしているので、金利上昇(国債の価格が下がる)で一番の被害を受けるのは地銀だと書いてありました。

 地方の経済が疲弊しているからこそ国債の利息で地銀は息をついているのです。もし金利が上昇し国債の価格が下落したら、地銀は大変な評価損を被ることになります。

 スイスの例で分かるように中央銀行が永遠にある政策を続けることはできません。どこかで政策変更を迫られる時が来ます。政策が長く続けば続くほどその副作用は大きいです。

 スイスフランショックでFXの会社が破たんしたように、金利引き上げショックで破たんする地銀が出そうです。異次元の金融緩和もすでに3年目に入りました。今のところ日本の場合は消費税引き上げショックや原油安で物価もそれほど上がらず、GDPについても際立った増加がありません。

 少なくとも今年から来年くらいまでは異次元緩和が続くでしょう。しかし、異次元緩和を5年も続ければその副作用は計り知れないものになります。

 もし異次元緩和を変更すると日銀が言えばその時国債の買い手は海外の投資家以外いなくなるでしょう。国内の投資家はすでにもっている国債の値下がりでとても新規に購入する余裕がないからです。

 もちろん株式相場も下がるし円安傾向が一段と高まるでしょう。だからと言ってサプライズの金融政策変更をやれば、その影響はスイスフランショック以上になると思います。

 異次元緩和が発表された際の株式相場の値上がりと逆のことが起こるのです。今投資家は先行き不透明感をもっています。取りあえず来週あたりは相場の調整が行われると思います。

 それがすんでお彼岸頃にまた相場が新しくなって動き出すと思います。今の相場は日本もアメリカも金融政策が作り出した官製相場なのです。