AIIBをめぐる欧州と日米
先日AIIBへのイギリス参加の波紋について書きました。さっそくその波紋が出てきました。イギリスに続いて独仏伊の三カ国も参加を表明したようです。
欧州において、英独仏伊といえば主要4か国ということになります。国力や歴史から考えたら欧州全体が中国を応援するということになります。
もしフランスが先んじて中国主導のアジアインフラ投資銀行に参加すると表明しても欧州での波紋は小さかったでしょう。もともとフランスと中国は仲の良い国だからです。
欧州におけるイギリスの立場は経済問題において非常に大きなウエイトを占めていると思います。イギリスがアメリカに楯突いて中国主導のアジアインフラ投資銀行に参加すると表明したので、様子見だった欧州各国がイギリスに続いたのでしょう。
アメリカが強力にけん制していたのに、アメリカ最大の盟友とも言うべきイギリスに裏切られたのです。今回のの出来事はアメリカの権威の失墜にもつながります。シリア問題でもロシアと中国にやられ、ウクライナ問題でもロシアにやられました。
今回の3か国に続いてさらにアジアではオーストラリアや韓国の参加も考えられます。カナダとスイスさらにはオーストリアなども参加が考えられるでしょう。
日本のマスコミ報道は中国はもうだめだと言うものばかりです。自ら中国に行ったりすることはまずないので、中国という国についてマスコミ報道以外知識を得ることがないのです。
今回のアジアインフラ投資銀行の例から見ても、欧州はいざとなったら日本でなく中国の味方をする可能性があることを示しています。中国の膨張政策については東南アジア諸国も危機感をもっていますが、経済については別です。
アセアン諸国も今回のアジアインフラ投資銀行には参加しています。さらには日本が対中国包囲網のかなめとも考えているインドも参加しています。
もちろん今の安倍政権ではアジアインフラ投資銀行への参加は無理でしょう。また日本国内の世論も参加しない方を選ぶでしょう。
しかし、日本それにアメリカの思惑と異なって世界は少なくとも欧州や東南アジアは中国を中心とする経済圏確立の可能性を見通しているのです。
今の経済状況では円経済圏ができそうもありませんが、中国元経済圏将来できる可能性はあります。中国の強みは何と言っても人口が多く国土も広いことです。マーケットとしての魅力は大変なものがあります。
中国崩壊論が相変わらず盛んですが、崩壊すると言われる国に欧州から我も我もと接近するのも不思議なことです。大英帝国以来の海千山千のイギリスが甘い見通しの上に経済政策を取るとも思えません。
日本のマスコミが正しいのか世界に冠たる情報網を持つイギリスが正しいのかこれからの歴史が証明すると思います。おじさんの寿命はそれほど長くはありませんが、結果が出るくらいまでは生きていそうです。
明日は検診があるのでブログはお休みです。