新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

AIIBをめぐる2つの見方

 AIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加期限がいよいよ迫ってきました。AIIBについては、日本のマスコミはほとんど報道しませんが、今日はおじさんのブログで取り上げることにします。

 日本政府も日本の保守派のマスコミもAIIB については全く無視という状態です。最大の理由は中国が主催する銀行だからです。今これだけ中国と対立している立場としては当然でしょう。

 それに日本はADB(アジア開発銀行)の中心的な存在ですから、それを脅かすようなAIIB に参加するつもりはないでしょう。また某保守系マスコミなどは、そもそも中国にAIIBの資金を提供することはできないし、中国は国際金融の経験もないので必ず失敗する。

 また中国共産党の指導下にAIIBはある。そんな組織など無視するのが一番だというものです。たぶん日本の世論はそれに近い物でしょう。これまで中国経済は崩壊する。中国共産党の政権は崩壊する。中国人は傍若無人で世界中からの嫌われ者だ。

 世界中の企業が中国から逃げ出していると報じてきたのです。それではなぜこんなに多くの国それも日米を除く先進国や新興国が参加するのでしょう。欧米では英独仏それに伊だったのですが、オランダにオーストリアも参加します。北欧からも参加があるようです。

 東南アジア諸国は真っ先に参加を表明しました。中国と領土問題で対立しているベトナムやフィリピンも参加しています。この両国は日本以上に中国と対決していたはずです。

 イギリスの参加が現在の動きを加速させたようです。イギリスは情報機関のレベルが高いので有名です。またシテイのような金融の中心があります。

 日本の保守系マスコミが主張するような事実を知らないはずはありません。また世界最大の覇権国アメリカの意向を知らないはずもありません。またイラク戦争の時真っ先にアメリカを支持した国でもあります。

 アメリカに堂々と対決できるのは政治的文化的にイギリス以外にありません。もし、日本が真っ先かけてAIIBに参加を表明したとしても、それに続く国はないでしょう。

 イギリスが参加したからこそ、他の国も続いたのです。もちろんイギリスにとっても早い時期にAIIBに参加することの意味があると思います。中国にとってイギリスの意向を無視することはできません。

 おじさんも以前ブログで書いたことがありますが、イギリスが人民元をイギリスの金融市場で取引すると発表した時から中国に肩入れすると思っていました。

 最近ロシア・トルコ・ブラジルも参加を表明しました。オーストラリア・カナダも参加するようです。結局日本とアメリカだけが孤立したのです。これまでの歴史上はじめてのことです。

 昔ABCD包囲網と言うものがありました。アメリカ・英国・中国・オランダです。今アメリカを除くそれらの国が連合しています。アメリカは中国に使節を送って協議をしています。中国がアメリカに使節を送ったのではないのです。

 何もしていないのは先進国で日本だけです。今の日本の政府やマスコミ、世間の空気ではAIIB 参加など口にだせるものではないでしょう。そんなことをすれば保守系マスコミやネット右翼にたたかれるだけです。

 日米が正しいのかAIIB参加国が正しいのかこれからの歴史が証明するでしょう。もしAIIBが成功すれば、日本は世界で孤立することになります。

 日本のマスコミは今まで以上に政権を気にしています。TPP・拉致問題など内政に比べて外交の成果不足の目立つ安倍政権です。