新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国人留学生が来ました。

 今日は日曜日なので教会ネタのはずですが、昨日から中国人の学生さんが来たので今日は教会をお休みしました。

 今日は中国人留学生について書きます。この学生さんは今某国立大学の博士課程後期に行っています。今3年生で最終学年です。

 おじさんのゼミ生の一人です。おじさんが勤務した中国の国立大学では日本語会話や作文の他に何人かの学生さんの卒論指導をしなければならないのです。

 同じ町の他の外国語大学ではそのようなことはありませんでした。最初の年は3人残り2年は6人の学生さんの卒業論文指導をしました。

 毎年卒業論文で優(90点以上)の学生さんを出したのが誇りです。最初の年の学生さんは、そのまま大学院に進学し、今日あった学生さんは日本の国立大学の大学院に進学しました。最後の年の学生さんは北京にある日本センターの大学院に進学しました。

 今日来た学生さんは四川省の田舎出身です。この学生さんの田舎に行ったことがあります。これまで日本人が一度も来たことがないと思います。

 そこの小学校は昔お寺があったところです。まさに寺子屋です。今は沿岸部のお金持ちの寄付でコンクリート造りになっています。外見はコンクリート造りですが、教室の床は土間のままです。

 今は統廃合で小2までしかいません。子供達と写真を撮りましたが、新興国特有のきらきらした目をしていました。子供達は皆生まれて初めて日本人を見たのです。もしこの村からでなければ二度と生きた日本人を見ることはないでしょう。

 敗戦後アメリカ人が山奥の小学校を訪問したのをイメージしてもらえばよく分かると思います。今日来た留学生はこの村から初めて国立大学に進学した女性だそうです。たぶん日本に留学した最初の女性になるでしょう。

 両親はこの村を出て新疆に働きに出ているそうです。と言っても専門技術者で新疆では家を買って息子さん夫婦と一緒に住んでいるそうです。今は新疆とおじさんの町と瞬時に電話で繋がります。

 朝学生さんのお父さんと話しました。学生さんは日本思想史が専門です。卒論で日中の死生観の違いについて書いたのでその延長で日本人の思想について研究しているのです。

 修士論文では平家物語における孝と忠について書きました。博士論文は太平記をテーマに書くそうです。おじさんも平家物語は読みましたが、太平記は読んでいません。もちろん現代語訳ではなく古語で読んでいるのです。

 日本語は大学に入ってから勉強したそうです。とても優秀でまじめな学生です。中国にいるときは一緒にあちこち旅行しました。一度列車に乗っているとき、警備員からお前は中国人なのになぜ日本人と一緒に旅行しているのかと言われたそうです。

 すると彼女はこちらは自分の日本人の先生で困らないよう自分が一緒に旅行して通訳しているのだと言ったそうです。すると警備員は納得してそれ以上何も言いませんでした。

 中国では先生それも大学の先生というのはとても尊敬されるのです。それに高齢者も大切にされます。もし若い日本人のサラリーマンなどだとこうはいかなかったかもしれません。

 そういえばある博物館に行った時、60才以上だと半額と書いてありました。それに高齢者は別の窓口で、他の窓口は行列なのにそこはがらがらでした。一緒に行った学生さんが、博物館の人と交渉すると、日本人であってもパスポートで確認できたらOKということでした。

 それで、高齢者窓口に行って切符を買うことができました。もちろん行列を横目に見てです。日本人だからと言って拒絶されることもありませんでしたし行列から非難の声もありませんでした。学生さんとはすべて日本語での会話だし、パスポートにも日本と書いてあったのですが。

 よく中国にいたと言うと反日がひどいのではと言われますが、こんな調子で3年過ごしました。