TPP交渉と格付け引き下げについて
今日は久しぶりに国際問題について書きます。安倍政権の外交政策は以前書いたように今はデッドロック状態です。国内でこそ一強ですが、外交交渉ではそうでもないようです。
去年は世界各国を回りましたが、AIIB参加状況などを見るとそれほど効果がなかったようです。ロシアや北朝鮮とも交渉を開始しましたが、こちらも今年はさっぱりなようです。
さらには民主党政権時代からの懸案であるTPP交渉も余り進展がないようです。AIIBに対抗するにはTPP交渉を成立させるのが一番です。
日米のTPP交渉が妥結すれば、他の国も雪崩を打ってTPP成立へと進むでしょう。そうなれば、AIIB問題で一敗地にまみれたアメリカも息を吹き返します。
AIIB自身には多くの問題がありますが、それを承知で57か国もの国が参加したのです。AIIB参加は日本があるいは中国自身が思っている以上に予想外だったのです。
日本のマスコミの一部や政府自民党などがAIIBの問題点を指摘していますが、それは間違いないことでしょう。日本が理解できるのですから、他の欧州諸国でも当然理解しているはずです。そのような懸念材料を踏まえて上でも参加に意味があると考えたのでしょう。これは東南アジア諸国も同様です。
ところでTPP交渉の妥結の可能性はどうでしょう。TPP交渉は極めて国内的な問題なのです。アメリカでも日本でもTPP交渉に根強い反対意見があります。
安倍総理は訪米していますが、訪米中にTPP交渉を成立させることができれば、安倍政権にとって大きな外交的勝利になります。AIIB問題で失われたものを取り戻すでしょう。しかし、日本側の一方的妥協だけで成立させたとなると国内世論が持たないでしょう。
ですから残された時間はわずかです。ところで、もう一つの国際経済問題は日本の国債の格付けが引き下げられたことです。
格付けがどうであれ日本の国債が暴落することはないでしょう。ただもう一度消費税引き上げを延期すれば今度はさらに格付けが引き下げられることになります。
来年には今の異次元緩和の出口を探らなければならないでしょう。まさか4年目を今のまま迎えるわけいには行きません。いくらお金を市場にばらまこうとしても、国内での投資にお金は向かわずひたすら日銀の当座預金に積みあがるばかりです。
出口政策が取り上げられ始めると円高に振れ、おまけに資金が引き上げられる可能性もあるので株式市場にも影響があります。今の株高も異次元緩和のおかげです。
それがなくなるとしたら、どうなるのでしょう。まあ最長2年先のことなので、取りあえずは目先の相場だけに注視すればよいでしょう。
今日はおじさんの持ち株は全滅です。皆下がってしまいました。祝日明けの相場はどうなるのでしょう。